日本ハムが“カブロー”封じの「虎の巻」を新規作成することを決めた。オリックスとのクライマックスシリーズ(CS)第1ステージ(11日開幕、京セラドーム大阪)へ向けて3日、千葉・鎌ケ谷で練習を再開。相手チームを分析するスコアラー陣も集結し、今季計20本塁打を浴びたカブレラ、ローズの2大砲攻略のため、データを洗い直すことを確認した。秘策を見つけ、CS突破への足がかりにする。

 選手が調整している球場内の一室で、険しい顔で議論を白熱させていた。日本ハムの「007」にあたる、他球団を分析するプロスカウト陣が集結。CS突破のカギとなる最重要課題を絞り込んだ。カブレラ、ローズ対策。計20本のアーチを浴びた「カブロー封じ」の秘策を、練り直す。チーム付きの渡辺チーフプロスカウトは「20本も打たれているからね。何とかしないと。シーズンも終わったし、これからまた全力で(分析を)やる」と決意表明した。

 強力投手陣を軸に接戦へ持ち込むのが勝ちパターン。勢いも重要になる短期決戦だけに、この中軸2人をいかに封じるかが要点になる。1発だけではなくカブレラには打率3割9分3厘で22打点、ローズには3割2分1厘で25打点と「カモ」にされている。今季は同カードで9連敗を喫するなど、終盤での失速で2位を譲る大きな要因の1つになった。

 分析班はCSまでの間に、他球団の攻略法なども参考にしながら戦力を練り直す。シーズン中は腰を据えてできなかったデータの見直しもイチから行い、CS直前に集中的に行うバッテリーミーティング用の資料を新たに作成する。「ソロなら何本打たれてもいいという気持ちにもなるけど、ランナーがたまって2ラン、3ランとなると…」。梨田監督も頭を悩ます事態解決のため、手を尽くすつもりだ。

 CS第1ステージはダルビッシュ、武田勝、グリンの順での先発が濃厚。厚沢投手コーチは「あの2人が打ち出すと、北川とか周りの選手も打ち出すからやっかい。新しく資料をもらえるのは助かる」と話した。2大砲攻略の「虎の巻」が逆転での、3年連続日本シリーズ進出へのポイントになる。【高山通史】