ロッテのサブロー外野手(32)と西岡剛内野手(24)が24日渡米し、異例のメディカルチェックとリハビリを行うことが13日、明らかになった。秋季キャンプ中(18日から11月13日、千葉マリン)のオーバーホールは、主力の国内温泉治療などが通例で今回の措置は、来季V奪回に欠かせないキーマンに“VIP待遇”を用意した格好だ。サブローについては、今オフFA権(06年取得)行使の可能性を示唆しており、残留に向けた球団側の思惑がにじんでいる。

 サブローと西岡に対する球団の期待の大きさの表れだった。今季は主力の相次ぐケガで、チームはクライマックスシリーズ出場を逃した。その象徴が2人だった。

 サブローは4月に左太もも裏を痛めて約1カ月間戦線離脱し、シーズン終盤は腰痛に悩まされた。西岡は太もも裏、左ひざ、わき腹と次々に痛め、持病の首のヘルニアも出て、シーズン終盤は足を引きずりながら試合に臨んでいた。それでもある程度の結果は残した。2人が万全の状態だったら…。そんな反省が“VIP待遇”につながった。

 渡米先は未定だが、太もも裏治療で実績のあるサンディエゴ市内の病院が有力視されている。現地では徹底したメディカルチェックを行い、故障を引き起こした原因や強化が必要な部位などを確認。その上で「完全回復」を目指して約2週間、専門家の下でスポーツリハビリをこなす。コンディショニング方法を学び、1年間のケアに役立てることも視野に入れている。

 米国でのオーバーホールについて球団関係者は「しっかり治してもらい、来年も元気にやってもらうためのもの」と説明。サブローに対しては「是非残ってほしい選手。今回の件は球団としての誠意です」と話した。サブローは06年にFA権を取得したが、行使せずに2年契約を結んだ。契約が切れる今オフの動向が注目される中、サブロー本人は「海外も視野に入れている」と行使を示唆している。