オレ竜2年連続日本一への道はエースから始まる-。18日に開幕する阪神とのCS第1ステージ第1戦(京セラドーム大阪)は川上憲伸投手(33)が先発する見込みとなった。今季は北京五輪後の戦線離脱もあって9勝に終わったが、ポストシーズンを知り尽くす男に“開幕投手”が託される。

 17日、ナゴヤドームでの最終調整。川上はランニング、キャッチボールを終えるとセンター後方の通路へ消えた。そして約1時間後に再びグラウンドに現われると入念にダッシュを繰り返した。報道陣との接触を避け、練習後はだれよりも早く駐車場に出てきた。近寄ろうとする報道陣を「ごめん」と手で制して、足早に引き上げた。周囲に緊迫感を漂わせた。

 CS開幕投手候補は2人いた。もう1人は今季阪神で2勝し、シーズン最後の2試合で9イニングを2失点に抑えた左腕チェン。「CS前哨戦」となった12日の阪神とのシーズン最終戦ではチェンが先発し、川上は2番手だった。この日も川上とチェンはまったく同じメニューを消化。最後まで先発隠しを徹底した。ただ2戦先勝の第1ステージは初戦が非常に重要なだけに、ポストシーズン通算5勝と経験豊富なエースが先発起用されるとみられる。

 川上は昨季のCSでも阪神との第1ステージ初戦に先発して7回無失点で勝利投手となった。巨人との第2ステージ2戦目でも勝ち星を挙げて日本シリーズ進出の立役者になった。優勝を逃しながら日本一となった昨季の再現へ。エースで勝てばこれ以上ない勢いがつく。【鈴木忠平】