ソフトバンク不動のストッパー、馬原孝浩投手(27)が人生初の荒行に向かう。27回目の誕生日を迎えた8日、来年1月の熊本・自主トレ中に護摩行に挑戦することを明かした。「精神修行のため、ああいうのは1度やった方がいい。熊本でやるよう調整中です」。

 燃え盛る炎の前で熱さに耐えながら言葉を唱える修行で、現役引退した清原や、阪神金本らが行っていることで有名。馬原も2年ぶりのフル稼働へ、そして候補でもあるWBC守護神襲名のためにも、メンタル強化に動いた。

 きっかけは金本が著書で荒行に触れていたこと。「火の粉を気で押し返すらしいですよ。テレビで見たのですが、最初は顔がやけどしたようです」。自分では想像もしなかった精神力の存在に刺激された。今季の馬原は右肩炎症で1軍合流は7月と遅れ、05年の抑え転向後最少の21試合で11セーブに終わった。「調子の悪い時、気持ちで向かうしかないと投げたけど、まだまだ足りません」と振り返った。秋季キャンプ中に秋山監督が精神修行を勧めたこともあり、実行に移した。

 マリナーズ城島との合同自主トレを卒業し、来年1月から独り立ち。故郷への恩返しの気持ちも込めて熊本県内の施設を選んだ。自主トレ中のオフに、熊本県もしくは鹿児島県内の寺で護摩行に取り組む方向で調整中。「抑えは1年間しっかり、けがなくやることが大事」。右肩だけでなく、心も屈強にするつもりだ。

 肉体強化も継続している。専属トレーナーをつけて体幹強化に取り組むほか、福岡と佐賀の県境にある脊振山地を和田と一緒に走り込んでいる。今季で通算100セーブを達成。来季はペドラザの球団記録117がシーズン序盤のターゲットとなる。「王顧問も『気力』と言っていますからね」。来季、守護神・馬原の球には気力がこもるはずだ。【押谷謙爾】