華々しく“お別れ”弾だ!
阪神新井貴浩内野手(31)が「故郷」で完全復活を果たす。来年のオープン戦日程が11日に発表され、阪神は3月22日に広島市民球場で広島戦に臨む。新球場移転のため、プロ野球はまさにラストマッチ。シーズン後半に腰の疲労骨折に苦しんだ新井は「うれしい。ケガで行けず、心残りだった」と突然の惜別試合を喜んだ。今もリハビリを続ける主砲にとって、09年開幕への試金石ともなる一戦。育ててくれた球場に恩返しのアーチで別れを告げる。
その瞬間、ふるさとの風景が脳裏によぎったのか。新井の表情が晴れやかになった。「えっ、本当ですか…」。この日発表された来春オープン戦の日程。3月22日に広島市民球場の広島戦が組まれていた。「うれしいですね。ケガで行けなくて、心残りだった。悔しい思いをしたので」。同日の試合はプロ野球が行われる正真正銘のラストカードでもある。青春の汗がにじんだ思い出の球場。その幸運を素直に喜んだ。
広島市民球場にきちんと別れを告げられなかったことは、悔いのひとつであった。新球場移転に伴って、公式戦の使用は今季限りだった。阪神にとっての最終戦は9月7日だった。しかしそのスコアボードに新井の名は刻まれなかった。北京五輪で腰の状態が悪化。疲労骨折も判明し、リハビリ生活を強いられていた。
「もうやることはないと思っていた」。FA移籍に対する古巣ファンの大ブーイングを浴びた4月1日からの3連戦が最後のカードになるはずだった。広島市民球場で育った男にとっては、あまりにも酷な幕切れだ。しかしオープン戦ではあるが、突然の惜別試合が浮上。ハッピーエンドで締めくくる絶好のチャンスが訪れた。
このラストゲームが09年シーズンに好影響を与えることは間違いない。現在も新井は腰のリハビリを続けている。完調で来季に臨むため、来年3月のWBC出場も辞退。真弓監督からマイペース調整が認められているが、3月22日は時期的にも4月3日開幕戦(ヤクルト)に向けた最終調整の場となる。完全復活した姿を広島市民球場で見せるという目標ができた。「ホームランはちょっと…」と惜別アーチの問いには苦笑したが、広島時代の05年には本塁打王のタイトルを獲得。来季は再びオーバーフェンス量産を宣言しており、豪打復活の試金石にもなる。
「もう最後かな、と思っていた」。新井はしみじみと言葉をつないだ。来季は5番起用やプロ野球選手会の会長就任など、さらに重圧がかかる年になる。それを乗り越えるための準備期間に、大きなモチベーションを得た。【田口真一郎】




