自らの花道は“長嶋さん超え”の通算2500本安打と日本一で飾る-。来季限りの現役引退を表明している中日立浪和義内野手兼任打撃コーチ(39)が28日、通算2500本安打と日本一奪回を目標に掲げた。現在2459安打で、歴代7位の長嶋茂雄氏(72=終身巨人名誉監督)まで12本、区切りの大台まで41本。代打専任となるミスター・ドラゴンズが、安打ラッシュで燃え尽きる。

 立浪はきっぱりとラストイヤーの目標を口にした。「あと41本ですか。やりますよ。打率にすればかなりの数字ですけど頑張って打ちます」。この日は名古屋市内の中部日本放送で「サンドラ」にゲスト出演。報道陣に来季はあと41本と迫った通算2500本安打を目指すことを宣言した。

 立浪は5日の契約更改後、来季限りでの現役引退を表明した。「あと41本」を打つのに残された時間は1年しかない。しかも代打専任という立場では打席数も限られる。初めて代打専任となった07年は109打数30安打で打率2割7分5厘、今季は不振もあって73打数15安打の2割5厘に終わった。仮に年間110打数で41安打なら打率は3割7分3厘となる。極めて厳しいノルマ設定だ。

 自分を奮い立たせるため公言した。引退表明した際も「最後の力を振り絞りたいから」と話した。退路を断ち、来年で40歳となる自分にムチを入れる。あと12本としている“長嶋さん超え”の先にある史上7人目の2500安打は、これ以上ない励みだ。

 もちろんミスター・ドラゴンズの花道は個人記録だけでは飾れない。「やっぱり1番強いのは優勝したいという気持ち。個人のことよりチームが優勝できればいい」と話し、2年ぶりの日本一奪回を望んだ。来季が中日一筋22年目。その集大成として大記録と日本一を狙う。【鈴木忠平】

 [2008年12月29日11時29分

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