魔法の手袋&スパイクで最終ロースターに残る!

 WBC日本代表候補の広島栗原健太内野手(27)に強力な味方が訪れることが14日、分かった。SSK社製のWBC仕様の製品。手袋は素手に近い感覚が得られるというもので、すでに到着済み。スパイクは、かかとから甲に向けて「V字型」に一枚皮を通した。足をしっかり締めて、軸がぶれないようにする安定性に優れたもの。2つのアイテムが、栗原にとって大きな武器となる。

 手から足まで、微に入り細を穿(うが)つ英知の結集が、栗原をサポートする。手袋は色が代表カラーに変わるが、基本的に昨年モデルと同じ。違うのは素材のよさだ。昨年と同じ羊の皮だが、メーカーがWBC用に「いい皮」を探した。より手にバランスよくフィットするために、スリップしにくいものを求めた。

 「羊の皮は季節によって全然違う。最高の素材が手に入りました。伸びにくくて、肌に近い素手の感覚になる」と担当者が胸をはる手袋。栗原も「同じ素材なのに、はめた感じが微妙に違う。今までよりしっくりくる。感触はいい」と手応えを感じている。

 スパイクは前年と違い、かかとから甲に向けて「V字型」に一枚皮を通した。栗原から「足がぶれないようにしてほしい」と要望があり、試行錯誤を重ねてこの形になった。足をしっかりホールドすることによって横ぶれを防止する。結果として足がしっかり土をつかみ、踏み込んだ時に軸足がぶれない。体重があってパワーのある選手向きのスパイクだという。

 このスパイクはシーズンでも使用する予定で、栗原はすでにシーズン用の赤バージョンを履いている。この日、宮崎市内の代表宿舎に「代表バージョン」が届いた。栗原は15日、キャンプ地を離れ代表に合流する。「フィット感がいいのが一番です。足が踏ん張れる気がする」と好感触を得ている。

 15日の夕方、33人の代表候補は集合しミーティングを行う。16日から合宿が始まり、28人が残る。最終ロースター発表は25日だ。「とにかく、今やれることだけをやる。それだけ」。栗原は短い言葉で決意を表明した。右ひじの不安もある。2つの武器が、栗原を後方から援護する。【網

 孝広】

 [2009年2月15日12時1分

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