もう戦える!

 オリックス小松聖投手(27)が、宮崎で行われるWBC日本代表候補合宿の集合日前日の14日、紅白戦で2度目の登板に臨んだ。前回10日に続いて1回を3者凡退の完ぺきな内容。昨季15勝3敗の右腕は、代表ではリリーフとして期待されている。小松は15日、軽く体を動かしてから、宮崎に移動する。

 手元で鋭く曲がるスライダーに、打者大村は泳がされた。当てただけの一ゴロ。相川を遊飛、下山を遊ゴロに打ち取り、小松の最後の準備登板は終わった。

 「結果うんぬんよりも、しっかりと意図のあるボールを投げ、打者を打ち取れました」と笑顔。仕上がり度合いを聞かれると「もちろん(今すぐ)戦えない状態では話にならない」と体調の面も問題なしと強調した。

 最速141キロ。変化球も好調時のキレはなかった。ただ、大石監督は「最初は『らしさ』がないかなと思ったが、全然違った。打者のしぐさを見ると、いい変化をしているんだと思った」。打者に対すると球が俄然、威力を帯びる。10日の登板を視察した清原和博氏(日刊スポーツ評論家)も同様の指摘をしていた。闘争本能は戻っている。

 WBC公式球への対応も問題なし。野茂テクニカル・アドバイザーにWBC球に近いメジャー球を3ダース寄贈され「新球」での練習が豊富になった。さらに投球前に大きく重いソフトボールを投げることで、日本より大きめとされる国際球への違和感を取り除いた。

 「色々な人に『頑張ってきてくれ』と声をかけてもらった。本当に頑張りたい」。チームからただ1人の代表候補が、サムライの目つきになった。【柏原誠】

 [2009年2月15日12時1分

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