敵情視察もお願いします!

 オリックス大石大二郎監督(50)が23日、野茂英雄テクニカル・アドバイザー(TA=40)に「スコアラー役」の期待を寄せた。同監督は野茂TAの指導力だけでなく、クセを盗む能力などに強い感銘を受けている。オープン戦でライバル球団を視察し、丸裸にしてもらえれば心強い。チームはこの日、24日から始まる2次キャンプ地の高知入り。今回も4日間の臨時コーチを務める野茂TAへの期待がふくらんだ。

 野茂TAの活躍のフィールドがまた広がるかもしれない。高知入りした大石監督は、他球団のオープン戦視察の可能性について「行ってくれたら助かりますね。僕たちとは見る目(視点)が違う。クセも結構見ていますから」と「007」役に強い期待を寄せた。

 「TA」のメーン業務は肩書の通り、技術面の指導。だが球団スタッフという立場上、本人の了承さえあればチーム本隊を飛び出して敵情視察、情報を持ち帰るスコアラー役を担っても一切問題ない。

 昨秋、今春と2度臨時コーチを務め、指導の引き出しの多さや独特の視点でたびたび大石監督を驚かせた。何人かの投手のクセを見抜いた“実績”もある。日米でプロ通算201勝。米マイナー組織も含めれば10チーム以上に所属し、数多くの選手を見てきた経験を生かさない手はない。

 眼力だけではない。宮古島での紅白戦では、米国時代から愛用する手帳大のスコアブックで全投球をチェックしてきた。配球の傾向が分かりやすいのが最大の特長。研究熱心さを物語る「野茂ノート」は他球団の選手にも応用できる。

 野茂TAはこの日、高知入り。24日から4日間、キャンプで指導する。シーズン開幕後は合計20日ほど臨時指導に訪れる契約だが3月の予定は白紙という。今キャンプ中にオープン戦視察を要請する可能性は十分にある。実現すれば投手コーチ、ミーティングでの講師、特命スコアラーと1人3役、4役のフル回転。他球団の脅威になるのも間違いない。【柏原誠】

 [2009年2月24日11時57分

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