オリックス野茂英雄テクニカル・アドバイザー(TA=40)が26日、高知キャンプでフリー打撃に志願登板し、99球の熱投を披露した。7日の宮古島キャンプに続く2度目の登板だったが、今回は球数が倍増。「気持ちよかった」と爽快に汗をぬぐった。

 この日、大石監督がフリー打撃の投手を務めることを知った野茂TAは「僕が投げますよ」と志願した。前回の宮古島ではマウンドを使い、大きく振りかぶって体をねじる豪快なトルネード投法で48球を投げた。今回は平地からのセットポジション。ほとんど体はひねらず球も軽め。それでも汗を垂らしながら打者8人に約15分、間断なく投げ続ける熱投だった。

 直球ばかり全99球でボール球(見逃し)は19球と安定感があった。許したサク越えは7本。鋭い打球を打たせ、しっかりと打撃投手の務めを果たした。登板後、Tシャツ1枚になると「気持ちよかったです」とさわやかに笑った。

 フォークを多投するなど「ショー」の要素が多かった前回とは意味が違った。特打が多いオリックスでは大石監督、コーチ、球団スタッフまで動員して打撃投手を回している。日米201勝、引退してまだ7カ月のタフ腕は頼もしすぎる助っ人となった。

 大石監督と水口打撃コーチは「せっかく野茂が投げてくれているので、打者もいつもより集中していた」という。初対戦の塩崎は「石川遼君がウッズに会ったときの気持ちが分かりましたよ。今日は1球も無駄にできないという気持ちで打った」と興奮した。27日で4日間の任務を終える。昨秋から3度目の臨時コーチに、大石監督も「効果は出ている」と感謝する。今回は投手だけでなく、打者陣にもトルネード旋風を巻き起こした。【柏原誠】

 [2009年2月27日10時21分

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