<オープン戦:ソフトバンク5-3阪神>◇25日◇福岡ヤフードーム

 阪神林が長いスランプから抜け出した。1回表2死一塁。ソフトバンクの長身右腕ローの内角球を鮮やかに振り抜いた。打球は鋭いライナーで右翼フェンスを越える。待望の今季初アーチだった。「後ろに体重を残して、上からたたいたのが良かった。とにかく集中して、自分のポイントで打てるようにやっていきたい」。メジャー仕込みの微妙に変化する球に、惑わされることはなかった。

 第2の故郷が復活の舞台となった。台湾から野球留学でやってきたのが福岡だ。今回の遠征では柳川高の恩師・末次監督(現自由ケ丘高)と会食し、胸の内を聞いてもらった。この日、三塁ベンチの前でストレッチをしていた時には、母校の先輩でもある真弓監督が近づいてきた。打撃練習が始まる前から、熱心に技術指導を受けた。指摘されたのは、上体が前に突っ込む悪い癖。「いろいろ教わって、いいポイントで打つことだけを考えている」。後ろに体重を残したのも、その一環だ。

 右翼争いはメンチの開幕スタメンで決定的。それでも左の大砲として、林は必要な存在。真弓監督は「少しずつ良くなっている。まだ自分の打撃ができていないところはあるけど…」と話した。開幕2軍をちらつかせながらも、復調を信じている。8回の左飛も打撃の内容はよかった。1本出れば、事態は好転するはず。「レギュラーを目標にやってますから」。自信を取り戻した林の逆襲がこれから始まる。【田口真一郎】

 [2009年3月26日22時22分

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