<中日4-1横浜>◇3日◇ナゴヤドーム

 中日の新外国人トニ・ブランコ(28=ロッキーズ2A)がひと振りで竜党の不安を吹き飛ばした。2回、カウント2-1から横浜三浦の甘いフォークをフルスイング。「ゴツン」という衝撃音とともにバックスクリーンへ運んだ。「少し重圧はあったけど、普通に打席に入れた。1打席目の結果がよかったのがうれしい」と、チーム初得点を来日初打席初本塁打というメモリアル弾で記録した。

 主砲ウッズが抜けた新4番。この日も試合前、日本流の開幕に慣れようとロッカー室に用意された赤飯を口にした。「少し塩を多めにかけたけど、おいしかったよ!」。試合でも課題の変化球を打ち、日本野球への順応ぶりを証明した。

 これに呼応したのが森野、和田の新クリーンアップだ。1-1に追いつかれた直後の4回1死から、森野が三浦からバックスクリーン弾をたたき込んだ。「開幕でクリーンアップを任されたのは初めて。責任感というか、去年の1発とは意味合いが違います」。さらに2死となった後、5番和田がフォークを中堅左へ運んだ。7回には2打席連続アーチで三浦にとどめを刺した。和田は「去年は(FA移籍)1年目で気負ったところがあった。その教訓を生かせた」と納得の表情だ。

 ウッズ、中村紀が抜けて今季の下馬評は決して高くない。それがフタを開けて見ればソロ4発の派手な快勝劇。V奪回へ向けて最高の船出となった。【鈴木忠平】

 [2009年4月4日7時56分

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