<広島0-4阪神>◇24日◇マツダスタジアム
阪神は周囲が求める勝ちパターンが初回に形を表した。新井貴浩内野手(32)の先制犠飛の直後、2死一、二塁。6番桜井広大外野手(25)が勝負強く右前に流し打った。「(カウントが)追い込まれていたので、とにかく食らいつく気持ちだった。右方向への意識もあったので、うまく対応できた」。メンチに代わる期待の男が放つと、続いて驚きの光景が広がった。二塁走者の鳥谷敬内野手(27)が山脇コーチの制止を振りきり、本塁に突入。「見落としていた。セーフになったからよかったが、アウトなら大変。いいプレーではない」。本人は猛省したが、果敢な走塁で2点目をもぎとった。こんな熱い攻撃を待っていた。
広島の新球場で初めての試合。しかも相手はエース格の前田健だ。昨年2敗で防御率0・98と苦しめられた。初戦を落とすと、主導権を完全に握られる。ここで真弓監督が勝負に打って出た。右腕に対して、桜井、バルディリスの右打者を起用。これは勝負師のひらめきだった。3月22日のオープン戦で対戦し、5回で3点を奪った。桜井や関本がうまく右打ちしたのだが、これが絶好のサンプルとなった。試合前には野手ミーティングを念入りに行い、各自で狙い球を整理した。和田打撃コーチは「去年やられていたからね。まだ対戦はあるから、内容は言えないよ」と笑みを浮かべた。
指揮官も攻略の理由は語らなかったが、帰りのバスに向かう途中にしみじみとつぶやいた。「昨日勝った流れがつながったのだろう」。延長12回の死闘を制し、連敗を脱出。ここから「勝ち運」が生まれた。この日も初回の鳥谷の打球が二塁手の手前で大きく跳ねて、ヒットになった。初体験の敵地も味方につけた。投打がかみ合い、勝率5割にあと1勝。「勝ちパターンを確立してほしい」と願った坂井オーナーが25日に視察に訪れる。こんな勝ち方なら、文句は出ないはずだ。【田口真一郎】
[2009年4月25日12時23分
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