<西武5-4ソフトバンク>◇28日◇西武ドーム

 ソフトバンクの新外国人ホセ・オーティズ内野手(31=元ロッテ)が衝撃デビューを飾った。28日西武戦に6番三塁で先発初出場。2回の第1打席で左中間席へ先制の1号2ランを放った。オリックス時代の03年には正真正銘の来日初打席初本塁打をマークしており、今回は再デビュー戦とはいえ2度目の記録。その長打力をいきなり示した。この日は逆転負けで借金は3となったが、秋山ホークスにとって、頼もしい新助っ人になりそうだ。

 衝撃的なアーチで日本での再デビューを果たした。2回表。1死一塁の場面で、オーティズが209日ぶりに日本の打席に立つ。西武岸が投じた3球目。内角高めに135キロ直球がきた。迷わずフルスイング。豪快に左中間席へたたき込んだ。先制の1号2ランだった。

 「ホークスでの初打席で、さっそくチームに貢献することができて、本当にうれしいし、興奮している」。オリックス、ロッテと渡り歩いた日本球界5年目の助っ人は“初打席弾”に興奮を隠せなかった。

 過去に正真正銘の来日初打席弾を記録している。03年のオリックス時代。開幕戦の初打席で近鉄パウエルから本塁打を放った。所属先でのデビュー初打席弾は今回が2度目だ。

 「03年の初打席弾?

 覚えてるよ。でも04年にも(初打席で)斉藤和己から打ったよ」。笑顔で本人が振り返るように、04年の開幕戦(対ダイエー、福岡ドーム)でも、その年の第1打席で本塁打を放っている。日本5年間で3度もシーズン初打席本塁打を記録している。勝負強い打撃に秋山監督も「いい打球飛ばしてたね。リストが強い。楽しみだね」と、敗戦の中でも頼れる新助っ人の登場だけは喜んだ。

 今季ソフトバンクと契約するまではメキシカンリーグに在籍。17試合で7本塁打を放った。5歳から16歳までの子供5人と妻の7人家族。来日予定の5月18日までは1人暮らしが続く。それでも日本球界を4年間経験。遠征で訪れたことが何度もある福岡の街も慣れたもの。福岡市の繁華街天神に1人で出向き、食事をすることもある。「ハードロックカフェ」がお気に入りだ。

 チーム打率2割4分9厘と、西武と並んでリーグ最下位のホークスにとって救世主であることは間違いないが、三塁の守備ではちょっぴり不安も残した。先制アーチを放った直後の2回裏に、何ともない内野ゴロを失策。同点にされるきっかけをつくった。それでも「(三塁の守備も)徐々になれていくと思うから大丈夫だよ」。今チームにとって最も必要な攻撃力で、浮上の起爆剤になって見せるつもりだ。【倉成孝史】

 [2009年4月29日10時37分

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