<広島2-3ヤクルト>◇3日◇マツダスタジアム

 完全復活を告げるアーチだった。広島の主砲栗原健太内野手(27)に久々の1発が飛び出した。4回にヤクルト高市から左中間へ先制の4号2ラン。4月16日横浜戦以来のアーチで、腰椎(ようつい)椎間板(ついかんばん)ヘルニアから先発復帰2試合目で結果を出した。3番手横山が痛恨の被弾で5月連勝スタートはならなかったが、コイの季節はま

 久々の感触だった。4回無死一塁。先発高市の投じた真ん中スライダーを、栗原は力強いスイングではじき返した。打球は左中間スタンドへ飛び込む先制の4号2ランとなった。

 4月16日の横浜戦(マツダ)以来の1発だった。腰椎椎間板ヘルニアで戦線離脱し、前日2日に7試合ぶりのスタメン復帰を果たしたばかり。わずか2試合目で復帰後初の本塁打を記録した。「あの打席は良かった。(タイミングを)外されたけど、(球を)捕まえて力の乗った状態で振れた」と振り返った。

 だが、満足はできなかった。ヤクルトに逆転を許して1点を追う8回裏2死一、二塁で、五十嵐のフォークに空振り三振。勝負どころで4番としての責任を果たせず「思ったより落ちなかった。球を見すぎた。厳しい球ではなかったが…」と悔しがった。打率も2割6分8厘と満足できる数字ではない。

 先発としての感覚も、まだ取り戻せていない。「久々なので、バットを振りきりたい思いがある」。甘い球を待てず、厳しいコースの球に手を出してしまうという。栗原は「もっと練習して(球への)反応を高めたい」と前を向いた。

 接戦を落とし、5月連勝スタートとはいかなかったが、ブラウン監督は手応えもつかんでいる。3番手横山が青木に決勝弾を浴びたが、左肩違和感で登録抹消した篠田に代わり先発に起用した青木高が5回2失点と合格点の投球。栗原にも1発が出て、好材料が生まれてきた。「横山は決して悪い球ではなかった。青木の技術が高かったんだ。勝負には負けたが、それ以外では相手に負けているとは思わない」と強気に言い切った。

 

 【高垣

 誠】

 [2009年5月4日11時41分

 紙面から]ソーシャルブックマーク