<中日4-2広島>◇6日◇ナゴヤドーム

 オレ流シャッフルで大脱出!

 打順を固定していた中日が開幕28試合目で投手と4番以外のすべての打順を変更し、低迷脱出の活路を開いた。3回、5年ぶりに8番に入った先頭荒木雅博内野手(31)が左中間二塁打で口火を切り、無死一、三塁から今季初1番の井端弘和内野手(33)が右中間に先制2点打。投手をはさんだアライバコンビの連続攻撃で広島から30イニングぶりに得点を挙げ、逃げ切った。借金を2に減らし、いよいよ5月反攻に乗り出す。

 大シャッフルだった。開幕から28試合目。中日のスタメンが、投手と4番ブランコ以外全員替わっていた。不振の荒木を8番に下げ、積極打法が目立っていた井端を2番から1番へ。3番森野を5番和田と入れ替え、好調藤井を6番に上げた。1人ずつ紹介されるごとに、ナゴヤドームのざわめきが大きくなった。

 新打線はいきなり機能した。3回だ。04年以来の8番に入った先頭荒木が、初球のチェンジアップを左中間二塁打。自身15打席ぶりの安打で口火を切ると、投手浅尾が三塁内野安打で続き一、三塁。ここで1番井端が初球を右中間へ適時二塁打し、2者を返した。前日まで広島には3試合連続完封負け。モヤモヤを吹き飛ばすように、本来の「1、2番」でなかなか機能しなかったアライバコンビが波状攻撃。対広島30イニングぶりの得点を挙げ、この回の3点目も呼んだ。

 打順変更は試合前のシートノック直前に伝えられた。荒木は「自分の打順だけ聞いた。僕は5、6試合ずっと悪かったんで…。あとでみんな替わってるのでオ~と思った」と話した。井端は「(監督が)動くというのは今までよくなかったということ。ヤバイとは思っていた。でも実際動かれて、ホントにヤバイと思った。ケツの穴が締まる感じだった。打線がつながった?

 久びさじゃないですか」と危機感を明かした。

 落合監督は2日の横浜戦に敗れた後「一線を越えるまではがまんだ」と、意味深な発言をしていた。この試合まで打順は偵察要員起用を含めわずか7通り。だが前日5日の広島戦完封負けで“一線”は越えていた。3番森野、4番ブランコの不振で5番和田への負担が増す中、大手術を決行。チームの売りである「1番荒木、2番井端」にも手をつけた。この日は「質問に答えるだけ頭が回っていない。あとは選手に聞いて」と説明を拒んだ。

 4点目は、打順が一つ上がった6番藤井のバットから生まれた。1点リードの8回無死二、三塁で、広島3番手横山から前進守備の一、二塁間を抜く右前適時打。落合監督の絶妙タクトでタイムリー欠乏症を解消した打線が、ようやく上昇気流をつかんだ。【村野

 森】

 [2009年5月7日9時13分

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