阪神坂井信也オーナー(61=電鉄本社社長)が元西武ブラゼル、元ロッテ・ズレータの獲得に難色を示した。20日に取材に応じ、新外国人の獲得に関して初めて触れた。シーズン途中の加入とあって、球団は日本球界の経験者をリストアップしているが、2人の名前に疑問を投げかけた。「まともに野球を続けているという感覚はない。誰でもいいから連れてきたというのでは困る」。ブラゼルは米独立リーグ、ズレータはメキシカンリーグでプレーしているが、オーナーはこれに納得しなかった。

 球団フロントでは、新外国人の調査を急ピッチで進めている。沼沢球団本部長はこの日、今週中にリストアップを完了させることを明言。「急いでいる。遅くても今週中にはやらないといけない」。貧打にあえぐ打線のバックアップに全力を尽くす姿勢を見せた。長打を打てる野手として、ブラゼルやズレータを含め6、7人の名前が挙がっている。坂井オーナーは「これから聞いてみる」と近日中に球団首脳の考えを聞く予定だ。最終的には、南球団社長や真弓監督の意見を最優先する構えではあるが、オーナーの言葉は重い。新外国人問題が迷走する可能性が出てきた。

 [2009年5月21日11時56分

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