<広島3-0西武>◇25日◇マツダスタジアム

 広島の誇る4番が2試合連続の1発で久々の連勝だ。栗原健太内野手(27)が、24日に続き、2試合連続のホームラン。西武岸から3回に左翼スタンドへ運ぶ豪快6号2ラン。これをただいま絶好調の大竹寛投手(26)が7回零封で守って快勝。大竹は連続イニング無失点記録を38回にまで伸ばした。4月26~28日に3連勝して以来の連勝で借金は5。さあ、コイの逆襲が始まる。

 西武岸の投じた低めのストレート。完全なボール球だったが、栗原の体は瞬時に反応した。バットをすくい上げるようにスイングすると、打球はレフトスタンドへ飛び込む2試合連続の6号2ランとなった。2戦連続弾は、今季初めて。昨季から負け知らずの12連勝中だった岸から、4番の一振りで奪った2点で勝負を決めた。

 栗原は「あのあたりは好きなところなんです。少し先っぽだっただけどうまくすくうことができましたね。いい打ち方ができました」と笑顔で話した。

 開幕戦で3安打、2戦目で今季1号を放つなど、開幕直後は絶好調だった。栗原自身も「あのころは球の見極めができて、甘い球を逃さずに打てていた」と振り返る。打線が低迷するのと同時に、主砲のバットも下降線。椎間板ヘルニアを発症して戦列を離れるなど、満足にスイングができない時期もあった。15試合以上本塁打が出ず、打率も2割6分台まで落ち込んだ。

 それを克服しようと、ティー打撃ではしっかりと下半身を使い、軸足を残して体がつっこまないように打つことを意識しているという。まだ開幕時のような手応えはない。「よくなっている感じはありますが、きょうも、仕留めないといけないような甘い球がいくつもあったのに、捉え切れずに打ち損じている」と顔をしかめる。

 それでも、主砲の2戦連発で、チームは4月に3連勝して以来、久々の連勝。打線を組み直し、2回には石原に先制タイムリーが出るなど打線もつながりつつある。3盗塁で、足をからめた攻めも披露した。ブラウン監督も「いまの打順は心地よい。しばらくこの形でいくよ」と満足そうに話した。投高打低傾向だったチームの歯車が、ようやくかみあって、コイが反撃を開始する。【高垣

 誠】

 [2009年5月26日11時47分

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