阪神タイガース次期OB会長に田淵幸一氏(62=野球評論家)が有力候補になっていることが9日、明らかになった。現在は82年から3年間、阪神監督を務めた安藤統男氏(70)が02年から会長職にあるが、今シーズンで8年の長期任務を終えることから、このたびOB会内部でポスト安藤の人選に入った。

 安藤会長の後任に関して本間勝副会長(70)は「OB会も若返りを図る時期にきている」と刷新を示唆した。そこでリストアップされたのが、かつて「ミスタータイガース」といわれた大物OBの田淵氏だ。02年から星野監督をチーフ兼打撃コーチとして支え、浜中、関本ら若手に「うねり打法」を伝授。03年にはタテジマを18年ぶりのリーグ優勝に導いた。

 あるOB会幹部は安藤会長の後継者について「若手への切り替えと、1軍監督経験者が望ましい」と語った。田淵氏は当時の杉浦監督からバトンを受けて90年ダイエー監督に就いた実績もある。監督として結果は伴わなかったが、阪神コーチ、08年北京五輪でヘッド兼打撃コーチとして尽力するなど、明るいキャラクターで熱心な指導には定評がある。今後は安藤会長ら幹部で一本化された上で、11月下旬に開催されるOB総会にはかられる。複数のOB会会員は「年代的にいっても適任」という声が圧倒的で、総会で承認されれば田淵OB会長が誕生する。

 [2009年7月10日11時25分

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