ナックル姫泣いた、中田監督解任申し出る
吉田えり投手(17)が所属する関西独立リーグ・神戸9クルーズが29日、中田良弘監督(50)を電撃解任した。神戸市内で会見した広田和代球団社長(47)はスポンサー獲得などのため選手のイベント参加を求めた球団に対し、同監督が練習を優先したと説明。関西独立リーグは国内3番目の独立リーグとして今年3月にスタートしたが、リーグ運営会社が撤退するなど各球団の資金難が表面化していた。
この日、神戸市内で会見した広田球団社長は「考え方の違い。練習時間の一部をさいてスポンサーに応える活動をしてほしいと理解を求めたが、監督に断られた」と、今回の経緯を説明した。この日の朝、中田監督と話し合ったが、苦しい経営状態を理解してもらえず。監督が解任を希望し、やむなく村上信一現コーチ(45)の監督代行就任を決めた。前期は4チーム中2位で、後期の日程は18日に始まったばかりだが、突然の騒動となった。
一方の中田監督は阪神戦の解説のため甲子園球場を訪れた。「おれがいたらスポンサーがつかないと言われた。球団が『解任より辞任で』と言ったので『選手を放っていくことはできない。辞任じゃなくて解任でしょう?』と言っただけ」と反論。旧運営会社による分配金未払いで球団の苦境が明らかになったころから、スポンサー集めに選手のイベント出演を求める球団と練習を重視する中田監督は対立していた。ただ「イベント協力を断ったことはない。練習時間は避けて予定を組んでとは言いました。経営的に厳しいことは分かっている」と話した。事実、人一倍熱心にリーグを告知し、吉田育成に努めてきたのは監督だった。
中田監督は自分で選手に解任を伝えた。吉田は泣いた。他の選手は「何かできることはないですか?」と気遣った。選手の待遇改善を球団に訴え続けた監督は「えりちゃんも他の選手ももっと見たかった」と肩を落とした。神戸は無残な内紛劇を世間にさらした。
[2009年7月30日8時31分 紙面から]
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