<ヤクルト3-8広島>30日◇神宮

 広島打線が2日続けての大爆発だ。4番栗原健太内野手(27)の先制打に始まり、5番スコット・マクレーン内野手(37)の勝ち越し打、そして3番天谷宗一郎外野手(25)がダメ押し打と、クリーンアップが7打点でヤクルトを圧倒。投げてはコルビー・ルイス投手(29)が7回3失点で対ヤクルト戦負けなしの7連勝。敵地で連勝し、31日から地元広島で横浜戦。さあ、マツダスタジアムでも大暴れだ。

 打線がつながる。塁上を埋めた走者が、次々本塁へ還ってくる。その光景を、ブラウン監督は満足そうに見つめていた。「選手の集中力、迫力が前日に続いて出ていたね。1打席、1球ずつ気迫をもってやってくれた」と手放しで称賛した。

 なかでも出色の働きを見せたのが、天谷、栗原、マクレーンのクリーンアップだ。3人で全8得点中7点をたたきだし、ヤクルト投手陣を粉砕した。

 先制打で火を付けたのは4番栗原だ。初回2死二塁から、ヤクルト村中の内角直球を詰まりながらもセンター前へ運んだ。「いいところへ飛んでくれた」と、してやったりの表情だ。1-2の5回無死満塁では三ゴロに倒れたが、三塁走者を返して同点に追いついた。「あの場面はなんでもいいので点を取りたかった。打線はいい感じになってきているし」と栗原は言う。

 その言葉を証明するかのように、直後に5番マクレーンが勝ち越しの2点適時打。「栗原の内野ゴロの後だったので、あのヒットは大きかったと思う。チームの勢いに自分も乗せられたね」と、6回にも幸運な二塁打で打点を稼いだ助っ人は、満足げに笑った。

 ダメを押したのは3番天谷だ。6回に二塁打、8回には三塁打で2打点を挙げてツバメ軍団の息の根を止めた。5回には内野安打を放っており、1発が出ればサイクル安打の活躍で猛打賞をマークした。右手有鈎(ゆうこう)骨骨折から復帰後、好調な打撃を見せている天谷は「栗原さんが後ろにいるので楽に打席に入れます。打撃好調?

 幸せです」とプレーできる喜びをかみしめた。

 東出、赤松で5得点。1、2番が出てクリーンアップが返す、理想的な攻撃で苦手ヤクルトに今季初めて3連戦で勝ち越した。栗原は言った。「地元でこういう試合を見せたい」。31日からは横浜3連戦。思い切り暴れる舞台は、整っている。【高垣

 誠】

 [2009年7月31日10時34分

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