<広島11-1ヤクルト>◇26日◇マツダスタジアム

 広島打線が大爆発だ。主砲・栗原健太内野手(27)が18号3ランを含む3安打4打点、アンディ・フィリップス内野手(32)も先制2ランを含む3安打4打点と3、4番が合わせて8打点の大活躍で3位ヤクルトを粉砕。11点を奪って大勝した。7連敗中だった前田健も完封こそ逃したが完投で6勝目。カープファンにとって気持ちのいい一夜となった。

 栗原のバットが絶好調だ。4回1死一、二塁で、ヤクルト川島亮の投じた内角低めのシュートを豪快に振り抜いた。打球はレフトスタンドの広告看板を直撃。18号3ランで9-0として、完全にヤクルトの反撃意欲を断ち切った。

 主砲は心地よさそうに「(バットの)先っぽだったけど、うまく回転して打てた。今はうまくタイミングが取れている」と振り返った。この日を含めて最近10試合で3割7分5厘、6本塁打13打点と大当たり。「いい感じで来ていますよ」と、確かな手応えを感じている。

 好調なバットに力を与えているのが、実は世界最速の男、ウサイン・ボルトだ。世界陸上を夫婦でテレビ観戦していて、ボルトのすごさに目がくぎ付けになった。夫婦で話し合ううち「(心の)緊張とリラックスがバランスよく保たれているから爆発的な力が出せるのでは」という結論に至った。打席の中ではどうしても力が入ってしまうことがある。それをボルトにならって緩和できないかと考えて、リラックスできるように最近になって打席でガムをかみ始めた。その効果については「分かんないですよ、始めたばかりだし」と笑うものの、この日も本塁打以外に2回の適時打など3安打と結果は出ている。

 その栗原が「前で打ってくれるからやりやすい」と頼りにしているのが3番フィリップスだ。初回に先制の11号2ランをかっ飛ばして打線を勢いづけ、2回にも貴重な2点二塁打で追加点。3安打4打点と大暴れした。イケメン助っ人は「うちのチームは先制すると強いからね、その意味でもいい本塁打だったと思うよ」と、自画自賛した。

 2人以外にも、3安打の赤松や3打点の広瀬らもしっかりと貢献し、ヤクルトに快勝。ブラウン監督は「今日はきっちりした野球をやったね」とゴキゲンだ。厳しい状況には変わりないが、逆転のクライマックス・シリーズ進出を目指して、今日もツバメをたたく!【高垣

 誠】

 [2009年8月27日10時38分

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