<ロッテ1-2楽天>◇28日◇千葉マリン

 楽天渡辺直人内野手(28)が貴重な2打点でチームを3連勝に導いた。6回に2年ぶりとなる先制の今季1号ソロ。8回無死一、三塁からは勝ち越しの中犠飛と殊勲打を2本放った。4位西武に2・5差をつけ、2位ソフトバンクにも4・5差まで迫った。球団初のクライマックスシリーズ進出を目指す中、つなぎ役に徹する男が、この日は主役に躍り出た。

 思い切りのよさが、すべてを解決した。6回の先制弾は「1点が欲しかった。打った瞬間入ると思って興奮した」。8回のチャンスも「自分で決めるつもりで、しっかりスイングすることを心掛けた」と腹を決めていた。野村監督も「(8回は)楽に帰れる犠牲フライなんて全然予想してなかった」。迷いがない分、打球に力強さが加わった。

 満身創痍(そうい)でもくじけない。開幕前から不安を抱える両ひざは「ボロボロですよ」と苦笑いする。それでも試合に出続ける。野村監督も「おれ好みの打撃をするのは高須と渡辺くらい。渡辺だけは痛いのかゆいの言わないな」と、必死のプレーを買っている。今季は2番を任されたリードオフマンの活躍でチームの貯金も3。日替わりヒーローが出始めれば、いよいよAクラス確保は安泰になる。【小松正明】

 [2009年8月29日8時39分

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