<横浜4-1広島>◇28日◇横浜

 広島が拙攻を重ねて敗れ去った。3回にアンディ・フィリップス内野手(32)のタイムリーで先制したが、直後に逆転された。その後は栗原健太内野手(27)が2度、打撃妨害で出塁して満塁機を築くが、いずれも後続が凡退。相手のミスにつけ込めず、3位ヤクルトとのゲーム差を縮めることができなかった。2試合連続で2ケタ安打を放っていた好調な打線も一転して沈黙。先発の大竹寛投手(26)を援護できず、チームの連勝は2で止まった。

 ミスに乗じることができなかった。2点を追う5回。2死一、二塁の好機で栗原の振ったバットに武山のミットが当たる。打撃妨害で出塁し、期せずして満塁機を得た。それでも後が続かない。マクレーンの打球はランドルフのグラブに当たり、運悪く遊ゴロに倒れた。7回にも再び栗原が打撃妨害に遭い、3人の走者が塁を埋めたが得点を刻めず。スイングを妨げられた栗原は険しい表情で言う。

 「向こう(武山)に聞いてよ。(2打席連続の打撃妨害出塁は)初めて。自分は『来た』と思って呼び込んで打っている。向こうは打たないと思って、捕りに来ているんでしょうけど」

 不完全燃焼で終わった試合だった。前日27日のヤクルト戦(マツダ)は6点差を逆転する豪快な勝ちっぷり。2試合連続で2ケタ安打(26日14安打、27日15安打)を放って横浜に乗り込んだが、気合はリキみに変わり、空回りした。9安打6四球をマークしながら13残塁で1点に終わり、ブラウン監督も首をかしげた。

 「インターフェアが2回もあるのは珍しいね。捕手が近いのもあるけど、栗原の打撃もコンパクトさがなかった。振りが少し大きかったね。マツダを出て(狭い)横浜に来て、長打を狙ってリキんでしまう。どこでやろうと、自分のスイングを変えてはいけないよ」

 今季、横浜スタジアムではこれまで1試合平均6・1点を挙げていた。6勝2敗と相性のいいはずの球場で「落とし穴」にはまってしまった。クライマックスシリーズ進出圏内の3位ヤクルトはこの日、中日に敗れたが、カープも共倒れしてゲーム差は縮まらない。一進一退の戦いが続く。苦境からは、自力で這い上がるしかない。【酒井俊作】

 [2009年8月29日11時53分

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