<広島1-4中日>◇17日◇マツダスタジアム
中日が首位巨人に続いてクライマックス・シリーズ(CS)進出を確定させた。
中日森野将彦内野手(31)は自分自身への怒りをパワーに変えた。1点を追う5回、1死満塁で打席がめぐってきた。広島を支える若き左腕・斉藤との対決。すべて直球で追い込まれた後の5球目だった。相手の決め球であるスライダーをとらえると、逆転の2点適時打が鋭く一、二塁間を抜けていった。
「前の打席でやられていたので食らいついて、絶対にランナーを返そうと思っていた」。二塁ベース上に立った森野の鼻息は荒かった。表情は鬼のようだった。直前の2打席目。まったく同じ状況で打席に立ったが、スライダーを引っかけて遊ゴロ併殺に倒れた。これが悔しかった。幸運にも、すぐ次の打席でめぐってきたリベンジの機会。前の打席で凡退したスライダーをまんまとはじき返した。リーグ打点王として、満塁打率6割4分3厘(14打数9安打)の“満塁男”としてのプライドだった。
この2打点でちょうど100打点。球団の日本人選手では06年福留(現カブス=104打点)以来、3年ぶりの大台到達だ。驚異の満塁打率に象徴されるように得点圏打率3割4分7厘という勝負強さは同年にリーグMVPを獲得した福留に勝るとも劣らない。その福留が海を渡る決心をした07年オフ、自分が抜けた後に3番を打つであろう1歳下の後輩をこう評したことがある。「あいつは大丈夫だよ。ずぶといから」-。
チャンスに対する森野の考え方は一流のそれだ。「重圧?
ないです。だって打撃は失敗の方が多いんですから。僕の仕事はバットがボールに当たるまで。その先は神様に聞いてくださいって感じ」。技術、パワー、そして現役大リーガーも認める胆力。1戦必勝となっていく残り15試合、そしてプレーオフへ。これほど頼りになる男はいない。【鈴木忠平】
[2009年9月18日11時40分
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