<中日5-2横浜>◇19日◇ナゴヤドーム

 クライマックス・シリーズ(CS)出場へ一発回答だ!

 7番中堅でスタメン出場した平田良介外野手(21)が、4回に左翼スタンドへ文句なしの2号ソロを放った。この日はフル出場して4打数2安打1打点と活躍。1軍登録されたばかりの平田が、18日から始まったCSへの戦力テストで結果を出した。残り13試合。そしてその後に続くCSへ向けて4年目の元気印がチームの秘密兵器になる。

 自然と体が反応した。2点リードで迎えた4回。先頭の平田は横浜先発小林の初球、122キロのスライダーを無心で振り抜くと、ボールはきれいな軌道を描いて左翼席に吸い込まれた。「不思議な感覚でした。フリー打撃をしているような感じ。ボールがどこに飛んだのかも分からなかった。1軍の試合の中では、たぶん1番の当たりだったと思う」。着弾点を確認すると、ゆっくりと一塁へ歩を進めた。

 生き残りをかけたサバイバルゲームだった。18日には谷繁に代わり、前田が今季初のスタメンマスクをかぶった。中堅英智の代わりには6年目の中川もスタメン出場。9回には内野手の岩崎達が外野を守った。4打数無安打と結果が出なかった中川はこの日、2軍に降格。明らかにCSを見据えた戦力テストだった。1軍昇格した平田、李もこの日、スタメン出場。落合監督の冷静な目で現在の状態を判断された。

 プロ4年目を迎えた今季は開幕1軍をもぎ取ったが、出場は30試合に止まっている。4月15日に抹消されると1軍とファームを行き来する生活が続いた。それでも「(最近は)1軍の試合に出場しても落ち着いて打席に立てる。いろんな経験のおかげ」と前向きだ。お立ち台では「お仕事大変でしょうが、応援よろしくお願いします!」と連休中にもかかわらず絶叫。元来の明るさが平田の武器でもある。

 ポストシーズンの救世主となる可能性がある。昨年は巨人とのCS第2ステージで上原(現オリオールズ)からバックスクリーンへ特大の一発を放った。日本一になった日本ハムとの07年日本シリーズでは最終戦で決勝犠飛を放ったヒーローでもある。CSは第1、2ステージで合わせて最大9試合。日本シリーズは最大7試合ある。出番は十分にありそうだ。平田は「チームに貢献できるように頑張りたいです」と力強く話した。昇格直前まで2軍で優勝争いをしてきた平田がチームを勢いづける。【桝井聡】

 [2009年9月20日11時22分

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