秋山ホークスが逆風に襲われた。29日からの楽天4連戦(Kスタ宮城)を前に、新守護神のルーキー摂津正投手(27)が戦線離脱した。同投手は28日、38度前後の発熱のため、この日の仙台入りをキャンセル。30日の楽天2戦目からの復帰を目指すが、回復の見込みがなければ出場選手登録抹消の可能性もある。その場合はレギュラーシーズンを新守護神不在で戦わなければならない。クライマックスシリーズ(CS)の本拠開催も懸けた勝負の4連戦を目前に緊急事態だ。

 杜(もり)の都に乗り込んだ秋山ホークスに、最も重要な場面を託すべき右腕はいなかった。秋山監督の言葉が、事態の深刻度を物語る。「こんな時期に風邪ひくなよなあ。困るよ。ここにきて、まだ、試練があるのかあ」。先発陣ではジャマーノが右足首負傷のため離脱し、楽天戦ローテを調整し直したばかり。この日、新守護神の摂津が体調不良のため仙台入りを見合わせるというアクシデントに襲われた。

 摂津はこの日早朝の検温で体温が38度前後を計測。全体練習を欠席し、福岡市内の病院で急きょインフルエンザの検査を受けた。陰性と診断されたのは救いだが、午後になっても体温は下がらず、29日以降の動向も未定だ。ここまでリーグ最多68試合に登板しており、今月13日にも発熱で休養したばかりだ。

 秋山監督は「明日(29日)の朝の報告で、今後どうするかを決める。明日の登板?

 無理だろう。移動もあるし」と、熱が下がったとしても初戦起用は無理と判断。早くても明日30日の2戦目からになる。回復の見込みがなければ登録抹消のケースもあり、首脳陣は最悪の事態に備えて2軍から佐藤を緊急遠征帯同させる措置をとった。

 勝利の方程式「SBM」のもう1人、ファルケンボーグについては、レギュラーシーズン中の復帰を見送ることが確実となった。現在キャッチボールで再調整を図っている段階で、既に照準はCSだけに合わされた。残ったのは今季29セーブの馬原だけという危機的状況で、勝負の4連戦に突入せざる得なくなった。

 秋山監督は「これからは経験とかが生きる。(抑えでは)摂津もいつもと違っていたし。馬原も状態がよくなってきた」と、ストッパーを通算129セーブの馬原に再度託す決意を固めた。馬原も「4試合全部投げるつもり。全然行きます。自分のボールも投げられるようになってきた。相手の勢いを止めるようなピッチングをしたい」と気合を込めた

 シーズンは残り6試合。この4連戦は奇跡の逆転Vへ1敗もできないどころか、CS本拠開催を懸けた戦いでもある。その大事な楽天との直接対決第1ラウンドへ、背番号50不在のまま、秋山ホークスが挑むことになった。

 [2009年9月29日11時10分

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