今季限りで横浜を退団することが決まっている仁志敏久内野手(38)が、退路を断って米メジャーに挑戦する。14日、横浜市内のスポーツ施設で練習を行い、現役続行を希望している来季について「野球人生のクライマックスをどうするか。やり残したのはアメリカでやることだと思う」と話した。

 日本の他球団で集大成を迎えることも一時は考えた。だが「アメリカに行くのはそんなに簡単なことじゃない。日本の球団にも迷惑がかかる」と、現役を続けるために“保険”をかけることを自ら断った。「招待選手でも何でもメジャーのキャンプに参加したい。毎日いつ契約を切られるか分からない世界だけど、今後を考えればいい経験になる」と腹を据えている。

 メジャー志向は以前から強かった。巨人時代の04年オフにFA宣言した際も、残留か米移籍かで揺れた時期もあった。実際、パイレーツなどが獲得に興味を示したが、巨人残留を決断した過去がある。5年前とは状況などに変化があることに違いはない。だがプロ選手として最後の環境をアメリカに求める決意を固めた。

 今後は自主トレを行いながら、代理人などを決めていく予定。来季15年目の仁志が、真っさらな気持ちで世界最高峰の舞台に挑戦する。【今井貴久】

 [2009年10月15日7時15分

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