天敵攻略でG倒だ!

 クライマックスシリーズ第2ステージ(東京ドーム)進出を決めた落合中日は20日、ナゴヤドームで全体練習を行った後、決戦の地・東京へ乗り込んだ。21日の初戦に対戦が予想されるゴンザレスは今季0勝4敗と天敵中の天敵。その右腕攻略に燃えたのが森野将彦内野手(31)。練習開始前にただ1人、早出特打を敢行。第1ステージで打率1割8分2厘に終わった3番打者の出来がカギを握る。パ・リーグは日本ハム-楽天(札幌ドーム)が対戦。リーグ優勝の巨人と日本ハムには、1勝のアドバンテージが与えられる。

 闘志と責任感が森野を動かした。ヤクルトとの激闘から一夜明けたナゴヤドーム。全体練習が始まる前、既に打球音が響き渡っていた。森野が石嶺打撃コーチらが投げる球を黙々と打ち込んでいた。約45分間。首をかしげ、うなずき、何度も打撃フォームを確認しながらバットを振った。

 「(状態は)悪いでしょう。まあ、悪いなんて言っていられないんですけど。第1ステージは働けなかったので、第2ステージは何とかしたいと思います」

 ヤクルトとの第1ステージ3試合で11打数2安打、打点なしに終わった。3番打者として今季リーグ2位の109打点をたたき出した男が沈黙した。チームは何とか2勝1敗で、突破したものの、苦戦の原因が自分にあることはわかっている。だからこそ、いても立ってもいられなかった。

 ペナントレース優勝の巨人には1勝のアドバンテージがある。初戦の重みはだれもがわかっている。勝つためには今季、何度も苦汁をなめさせられたゴンザレスを攻略しなければならない。5戦して0勝4敗、チーム打率1割8分1厘。森野も13打数1安打、打率7分7厘とほぼ完全に抑えられた。ただ、舞台は超短期決戦。過去のデータはほぼ意味を持たない戦いだ。

 「ゴンザレスは苦手意識はないんですが、なぜか抑えられている。対策?

 制球のいい投手だから、とにかくストライクを積極的に打つことですね」。

 抜群の制球力を誇るゴンザレスの特長を逆手にとって、積極打法で活路を見いだしたい。練習を終えて、東京へ向かう森野の表情はどこか吹っ切れたようだった。「こうすればいいだろうというのは何となくわかっています。全部勝つつもりで行きます」。復調の予感はある。そのバットで日本シリーズへの道を切り開くつもりだ。【鈴木忠平】

 [2009年10月21日12時2分

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