左臀部(でんぶ)痛で日本シリーズ(31日開幕)登板が厳しい状況の日本ハム・ダルビッシュ有投手(23)が26日、5日以来の本格的な投球練習を行った。この日、チームは札幌ドームで日本シリーズへ向けた全体練習を再開。ダルビッシュは23日にブルペン入りしても軽い立ち投げ程度だったが、この日は中2日でブルペン入りし、変化球を交えて約40球を投げ込んだ。

 ダルビッシュは「この前と変わってないです。張りがなかったら、もっと思いっきり投げてますよ」と言葉少なだった。スライダー、フォークなどすべての球種を投げたが、吉井投手コーチも「今日のピッチングでは(試合は)まだ無理。前回より進歩はしたけど、試合で彼本来の投球ができる状態ではない」と、一進一退の状態を強調した。登板回避の方向性は変わってないが、ダルビッシュは復帰へひそかに燃えている。

 自身の公式ブログには「僕の復帰は絶望的やと思われてますが、なんとかします」と書いている。さらにこの日は「逆風に向かって飛べ」の題で更新し、「今日は座ってもらって40球くらいかな?

 投げました。ちょっとずつですが、進歩してます」と、1歩ずつだが準備を進めている。吉井投手コーチも「彼はあきらめていない。この前の試合(CS)を見ていたら、そりゃあ投げたくなるだろう」と心情に理解を示した。

 現時点では日本シリーズの先発ローテーションも、ダルビッシュ抜きで決定はしている。指名打者のないセ・リーグ本拠地開催の対策として投手陣が打撃練習を開始したが、ダルビッシュは行わなかった。それでも驚異的な回復にかけているのは確か。0・01%でも可能性がある限り、ダルビッシュは調整を続けていく。

 [2009年10月27日8時40分

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