今度は指揮官が出馬!?

 ソフトバンク竹内孝規COO(球団最高執行責任者=49)が26日、獲得を目指す前マリナーズ城島健司捕手(33)との初交渉で秋山幸二監督(47)の出馬プランを明かした。王会長の“下交渉”に続いて現場のトップによるアピールなら獲得レースで先行する阪神との差を埋められる。原則非公開とした交渉日程も阪神同様にオープンにすると明言。初交渉は早ければ28日にも行われる。

 先行逃げ切りを狙う阪神に待ったをかける。24日の王会長による料亭会談で城島へ熱意を伝えたソフトバンクの次なる一手は、秋山監督の出馬だ。福岡ヤフードーム内の球団事務所で所用を終えた竹内COOは来るべき城島との初交渉で、秋山監督が同席することについて「その辺も詰めているところです」と調整段階だと明かした。

 大攻勢を続ける阪神の動きをけん制する一撃になる。ライバルは福岡市内での交渉に真弓監督、南球団社長が出席し、27日の第2回交渉には星野SDが出馬する可能性がある。獲得レースはスタートで先を越されたが、勝負手でも後れを取るわけにはいかなかった。

 秋山監督と城島はダイエー時代に選手としてともにプレーし、日本一の美酒も味わった。6年連続で優勝を逃し続ける今、ホークス黄金期を共有した仲としてチーム再建を訴えかけたいところ。秋山監督は球団からの要請はまだ届いていないとした上で、「そういうことになればね」と出馬へ意欲をのぞかせた。

 ファンも注目する初交渉について竹内COOは「詰めの作業をしている。阪神さん(の第2回交渉)が27日というのは聞いており、あまり時間はない。あったとしても1日か2日。どういうやり方でどういう場所でやるのか詰めている」と進ちょく状況を説明。この日午後には都内のソフトバンク本社で城島獲得に向けた説明と協議を行い、最終的に3年推定15億円の条件をまとめたもよう。代理人との調整がつけば、明日28日にも交渉のテーブルにつくことになりそうだ。

 さらに巻き返しをかけ、“オープン交渉”にする。これまで竹内COOは「交渉ごとは表に出さないのが鉄則」と話してきたが、今回は別。「ちゃんと皆さんにお知らせして正々堂々と会うようにする」と、交渉場所や日時を公表することを明言した。06年オフに小久保がFA宣言して巨人からホークスへ復帰した時と同様のスタイル。メディアを巻き込んでファンの関心を引きつける。これも阪神と同様の姿勢だ。逆転勝利に向けてついに虎との本格抗争に入る。

 [2009年10月27日10時29分

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