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原巨人7年ぶり21度目“日本一”/日本S

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7年ぶりに日本一を奪回し、ナインから胴上げされる原監督
7年ぶりに日本一を奪回し、ナインから胴上げされる原監督

<日本シリーズ:日本ハム0-2巨人>◇第6戦◇7日◇札幌ドーム

 原辰徳監督(51)が札幌ドームで10度舞った。巨人が日本ハムを下し、7年ぶり21度目の日本一に輝いた。3勝2敗と王手をかけて臨んだ第6戦は、2回に阿部慎之助捕手(30)の適時二塁打で先制。先発東野の負傷降板により、1回2死から緊急登板した内海哲也投手(27)は6回途中まで無失点と好投し、勝利投手となった。原監督は3月に日本代表を率いてワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で優勝。レギュラーシーズンではセ・リーグ3連覇を達成、そして日本一奪回と、栄光に包まれた1年となった。シリーズMVPには阿部が選ばれた。

 胴上げはいつまでも続くかのように思われた。リーグ優勝時と同じ8度では終わらない。原監督は結局、10度も宙を舞った。「日本ハムファイターズという素晴らしいチームを相手に戦い、日本一になれたことを誇りに思う。感無量です。日本一、奪回しました!」。優勝監督インタビューでは、歓声にかき消されないよう、ありったけの大声をしぼり出した。

 日本一を真っ先に報告したい人は今、天国にいる。昨秋、夫人の弟の卓三さんから連絡があった。電話越しの声は沈んでいた。「たっちゃん、ヘマやっちゃったよ……」。余命いくばくもない肝臓ガンにかかったことを告白された。仕事に追われて健康診断を久しく受けていなかったため、医者に見せた時にはもう手遅れだったという。原監督の胸に、奇跡の回復を信じる思いと、これまでかわいがってくれたことへの感謝の気持ちがあふれてきた。病院へ見舞いに行き「奇跡」と「感謝」という言葉をしたためた色紙を渡してきた。

 卓三さんはWBCの晴れ姿を見届けてからシーズン開幕直前に他界した。享年53。「本当にお世話になった人。自分の親族でこれだけ早くして亡くなる人はこれまでいなかったからショックだった」。しかし、悲しみは伏せた。原監督はプライベートの不幸をおくびにも出さず、野球人としての使命をまっとうした。「世界一を見せられて良かった。次は日本一を手向けたい」。日本代表と巨人監督の両立は想像以上に過酷なものだったが、義弟への思いを支えにしてやり遂げた。

 選手へ投げかける視線もまた、家族に向けるように温かい。9月、主砲ラミレスの著書を発売前に入手して熟読。「面白いよ。どんな人間かが分かるんだ」。新型インフルエンザが流行しはじめたころ、飛行機移動の際は自身の荷物の中に予備のマスクをしのばせ「今日は慎之助がマスクを忘れてるな。これをあいつに渡してくれ」と、気配りを欠かさなかった。

 WBC制覇と日本一。激動の1年は終わった。「本当に長いシーズンだった。不安もあったけど、やってきたことが間違いではなかった」。少しの間、勝利の余韻に浸ってから、すぐにまた新たな1歩を踏み出す。開幕前に「今年から5連覇する」と宣言した原監督にとって、7年ぶりの日本一は常勝軍団復活の序章にすぎない。【広瀬雷太】

 [2009年11月8日10時11分 紙面から]


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