アライバの牙城を切り崩せ!

 阪神真弓明信監督(56)が不動の遊撃手鳥谷敬(28)に「ゴールデングラブ賞」奪取を厳命した。「とらなあかんな。(報道陣に)イメージを植え付けなあかん。鳥谷も欲しいタイトルの1つだろう」。同賞は記者投票で決まるだけに、アピールの必要性も合わせて説いた。

 屈辱の現実が指揮官のハートに火をつけた。前日10日に今季のゴールデングラブ賞の受賞者が発表された。阪神からは02年以来、7年ぶりの受賞者ゼロ。常連だった赤星が故障で出場91試合にとどまったことも影響し、寂しい結果に終わった。来季は過去7度の受賞経験がある城島が加入するが、指揮官は虎自慢の遊撃手を猛プッシュした。

 誇れる数字は残している。鳥谷の今季守備率9割9分はリーグトップ。セ・リーグ遊撃手部門で同賞を受賞した中日井端の9割8分9厘を上回る。二遊間は二塁荒木と井端の竜コンビが6年連続で受賞中だが、食い込む力は十分ある。指揮官は「もう、そういうイメージで見られていい。守備も安定してきたしね」と強調。後はしっかりアピールするだけだ。守りの野球を提唱する虎のシンボル。指揮官は鳥谷の来季初受賞を信じている。【佐井陽介】

 [2009年11月12日11時13分

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