「大和組」の旗揚げだ。阪神大和内野手(22)が、高浜卓也内野手(20)と育成枠の森田一成内野手(20)と今オフ、合同自主トレを行うことが19日、分かった。1軍定着を争う選手が音頭を取って自主トレを行うのは異例だ。これも真弓監督が奨励する「下克上」効果かもしれない。

 「人数が多ければ多いほどいい。自分が見習うところもあるだろうし」。大和は入団以降、毎年1月上旬に故郷鹿児島で自主トレを行っている。ただし、チームの後輩を引き連れての合同自主トレは初めてだ。今季自己最多の66試合に出場したが、レギュラーの座はまだ手中に収めていない。その中でタイプの違う3人が集まれば、化学反応を起こす可能性はある。

 今回の自主トレは、関係者から紹介してもらった専属トレーナーを伴っての自主トレになる。その恩恵を1人で受けるのはもったいないという発想から、若虎合同合宿が実現に至った。最初に手を挙げたのが長距離砲の森田だった。「僕は守りが下手だし、大和さんに守備を教えてもらいたい」。先輩の技を盗もうと目を輝かせていた。期待されながら、故障に泣き続けた高浜も身近な先輩の教えを請う形になった。

 大和はこの日、鳴尾浜で永尾2軍守備走塁コーチのノックを受けるなど積極的に体を動かした。永尾コーチも「自主トレで意識が定まっているかの差が大きい」と冬場の重要性を説いた。レギュラー取りに挑戦する来季。「新しいこともあるし、楽しみです」。若きリーダーとなり、主力への第1歩を踏み出す。

 [2009年11月20日11時6分

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