スタメンを勝ち取るには定位置を奪え。日本ハム梨田昌孝監督(56)が20日、来季3年目を迎える中田翔内野手(20)に対し、「指名打者NG」を打ち出した。守備での出場について「そりゃあ、その方がいい。(DHは)外国人でまかなえるところだからね。(故障を抱える選手などの)止まり木みたいなところ。そうやって使っていかないと、チームにとって損」。チーム全体のバランスと本人の成長を考え、高いハードルを設定した。

 中田は今季、5月23日ヤクルト戦で1軍デビューを果たし22試合に出場。イースタン・リーグでは30本塁打のシーズン記録を樹立し、打点と合わせて2冠に輝いた。その一方で1軍で守備に就いたのは6試合のみ。来季は一塁手のほか、入団当初から挑戦している三塁手、高校時代に経験のある外野手と、複数ポジション構想も持ち上がっている。指揮官は「能力はある。サードでの(打球の)捕り方も変わってきた。(チャンスを)『与えますよ』じゃなく、自分でそういうものを見いだしていかないと」と言った。激しい競争に勝ち抜いてくれることを期待しての言葉に、中田も「もちろん、そのつもりで頑張ります」と誓った。

 リーグ連覇、日本一奪回へ向け、チーム力の底上げは不可欠。中田や陽ら有望若手選手には大きな期待がかかるが、梨田監督はきっぱりと言った。「(成長のために)我慢するということはチームが負けるということだから。監督が我慢してもファンは我慢しない」。若手が自らの力で定位置をつかむことが、常勝軍団構築への足がかりにもなる。【本間翼】

 [2009年11月21日9時9分

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