中日の新人選手が、12日の新入団発表に全員「背番号なし」で臨む可能性が出てきた。球団関係者が10日「ユニホームをメーカーに発注していたが、背番号を入れることにストップをかけた」と話した。森野将彦内野手(31)が現役引退した立浪和義氏(40)から受け継ぐはずだった背番号3を返上したことがきっかけで、新人を含む複数選手の背番号を再考する可能性が出てきたため。11月5日に白井オーナーが発表するという異例の形で始まった「背番号3問題」は、思わぬ余波を生んだ。

 新入団発表を2日後に控えたこの日、球団関係者は苦しい舞台裏を明かした。「背番号を入れたユニホームをメーカーに発注していたが、ストップをかけました。背番号が決まらないのでしようがない」。内定していたはずの背番号が、ここにきて白紙に戻ったのが理由。これまでの背番号のない既製品を使う習慣をあらためる方針だっただけに、思わぬどんでん返しに苦笑いだ。

 事の発端は、前日9日、森野が新背番号3の返上を発表したことにある。現役引退する立浪和義氏の「3」を引き継ぐことは、11月5日、白井オーナーから発表されていた。ところが森野は「今年の成績ではまだボクのつける番号ではない」と悩んでおり、土壇場で1年間空き番号とすることを認められた。ここで「31」を取り戻せば混乱は起きなかったが、中川がつけることが決定済み。中川の「32」は新人が背負うことが内定しており、シャッフルし直す必要性が出てきたのだ。

 異例のドタバタ劇だ。11月5日には、森野が3を背負うことに加え、野本が30から9、中川が32から31、佐藤充が16から70に変更されることも発表されていた。水面下で新人選手の背番号も内定したが、ドラフト6位で指名したホンダ諏訪部貴大投手(21)の獲得を断念。思惑が外れた上に、土壇場で「3」が空き番号となった。もはや1人が変更すれば落ち着く問題ではない。中田スカウト部長は「ルーキーにはまだ番号を伝えていないから」と話したが、それでも混乱ぶりは際立った。

 11日にもあらためて新背番号が話し合われる見込みだが、それでも番号、ネーム入りのユニホームは間に合わない可能性があるという。背番号3問題に端を発したドタバタは、ルーキーの門出にも影を落としている。【村野

 森】

 [2009年12月11日10時24分

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