“カウント無視投法”でツバメ封じだ!

 中日浅尾拓也投手(25)が26日、苦手にしていたヤクルト戦について、来季は「ボールが先行しても気にしない」と、強気の勝負を挑む決意を明かした。今季は対戦防御率8・14とことごとく打ち込まれ、シーズン防御率も3・49にとどまった。来季は意識改革によって苦手意識をぬぐい去り、08年にマークした防御率1・79を上回る自己最高防御率を目指していく。

 オレ竜の頼れるセットアッパーが、来季はカウントを“徹底無視”することで、苦手だったツバメ斬りに挑む。今季のヤクルト戦では、カウントを悪くし、ストライクを欲しがって甘いコースに投げてしまった。ヒットを許すパターンが多かったが、来季はメンタル面での意識改革を図ることで、ツバメ封じを狙う。

 「ストライクが先行しないと不利になると思い過ぎていたけど、森さん(ヘッドコーチ)から『1ストライク2ボールで互角と思えばいい。ボールが先行しても、打者との勝負に勝つにはどうしたらいいか、1球1球駆け引きすればいいんだ』と言われたんです」。

 ドミニカ・ウインターリーグに参戦中、森ヘッドコーチと食事をともにしている時にもらった貴重なアドバイス。「森さんから話を聞いて、要は気の持ちようだと分かったんです」。これまでは、カウントを悪くすることで、自分を追い込んでしまっていたが、森コーチの一言で、心の中にあったモヤモヤが一気に消え去ったという。

 「今年は、自分でもヤクルトを意識しすぎてしまった。結果的にも(対戦成績が)良くなくて、相手がヤクルトというだけでやばいと思っていた時期もあった。でも、1度リセットして、来年はヤクルトだからといって、あまり考えないようにしようと思っているんです」。

 チーム別の対戦防御率を見ても、対ヤクルト戦は8・14とダントツで悪く、成績も1勝5敗と大きく負け越し。1年間に許したヒットも108本中、約4割にあたる41本をヤクルト打線から打たれており、浅尾にとってヤクルトはまさに天敵。それだけに、来季は何としても抑えてやろうという思いが強かった。

 この日は、東海テレビ「スーパーサタデーSP」に生出演。「防御率2点台」を来季の最低目標に掲げた。「まずは防御率を2点台にすることですが、できれば1点台を目指したい。08年の1・79を越えることができれば一番うれしいですね」。今季はヤクルト戦で打ち込まれ、通算防御率も3・49に終わったが、4年目の来季は上昇あるのみ。意識改革で苦手のヤクルト打線を封じ、2年ぶりの防御率1点台を目指していく。【福岡吉央】

 [2009年12月27日11時1分

 紙面から]ソーシャルブックマーク