広島小窪哲也内野手(24)が「内川打法」で打撃力向上を図る。26日、荷物整理のためマツダスタジアムを訪問。来年1月4日から静岡・伊豆市内でチームメートの石井と行う合同自主トレでのテーマを語った。08年首位打者などに輝いた横浜内川聖一内野手(27)も合同でトレーニングを行う予定で、球界随一の右の巧打者から、打撃のテークバックの取り方などをマスターする意気込みだ。

 飛躍のプロ3年目に向けて格好のヒントが見つかりそうだ。年明け早々から20日まで、伊豆市内で自主トレを実施。そこでは毎年、横浜内川も一緒に汗を流しており、打撃論を語り明かすことになりそう。小窪も声をはずませる。

 「一番というか、右の最高打者ですから。シーズン中も内川さんの打撃を参考にしていた。タイミングの取り方ですね。守っていても(打撃を見て)無駄な動きがない。いい機会です」。

 今季は8月からスタメンとして頻繁に出場し、打率2割9分5厘の成績を残した。課題の守備力アップがレギュラー奪取の近道になるが、もちろん打撃面でもレベルアップを図る。その理想的な教材が、今季、リーグ打率2位(3割1分8厘)の内川だ。08年には首位打者、最多安打などのタイトルに輝いており、実力は折り紙付き。23日に都内で行われた石井主催のクリスマスイベントでも顔を合わせており、小窪は「少しだけ聞いて、それでも参考になった」と振り返った。

 同じ右打者として、参考にする点は多い。特に、ロスのないテークバックの取り方に注目するという。小窪は「(グリップを握る両手を)足と同時に上げて、スッと下に落とす。僕は悪いとき下から(バットが)出てしまうんです」と説明する。多くの打者が始動後にバットを持つ両手を後方に引くが、内川の場合は構えたところから上部に上げるだけだという。そこから振り下ろすから最短距離で球をとらえられるという論理だ。すでに、今秋の日南キャンプでもチャレンジ。“悪癖”を解消するためにも、理想の教材になる。

 今季のシーズン中に守備の指導を受けた石井から自主トレに誘われ、迷わず入門を決意。ディフェンス面では石井から継続してレッスンを受け、攻守にわたって万全の練習を積む。「体幹のトレーニングもキツいみたいですね」と笑う。来季は梵、石井らと定位置を争う立場。内川の教えも生かして、レギュラー奪取を目指す。【酒井俊作】

 [2009年12月27日11時2分

 紙面から]ソーシャルブックマーク