3年目の今季から外野手にも挑戦する日本ハム中田翔内野手(20)が、2月1日のキャンプ初日から「1軍オーディション」にかけられる。梨田昌孝監督(56)は5日、都内の日本ハム本社年頭式典に出席。シーズン終了後は1度も顔を合わせていない中田について、キャンプインと同時に厳しくチェックしていく方針を明かした。動きが思わしくなければ当然2軍落ちの可能性もあり、怪物にとっては球春到来とともに厳しい戦いが始まる。

 キャンプインと同時に、中田の1軍入りに向けた「オーディション」が始まる。2人でトークショーを行った昨年とは違い、梨田監督はこのオフは中田とは1度も顔を合わせていない。自主トレメニューも放任しているが「(キャンプ初日に)動きを見れば(体づくりを)やってきたか、きていないかはすぐにわかる。結果として出なければ(1軍で)使えない」と、初日から一挙手一投足に目を光らせる方針だ。

 顔合わせの意味合いもあるキャンプ第1クールからアピールを義務付けるのは酷にも思えるが、それだけ期待が大きいことの裏返しでもある。昨季チームトップの27本塁打を放ったスレッジが退団。長打力が武器の中田は、頭角を現してくれないといけない選手でもある。同監督は「戦力も変わったし、(レギュラーは)今はまったくの白紙。レフトは中田とか陽とか、若手がどこまで伸びるか。自分でつかみ取ってほしい」と奮起を促した。

 「審査項目」は当然、打撃だけではない。昨年11月のプロ選抜対大学日本代表で叱責(しっせき)を受けた走塁や、高校時代以来となる外野守備も対象になる。梨田監督は「守り勝ってきたチームだからね。いくら打つといったって、いい投手と当たればそう簡単に打てるものじゃないから」と、特守や下半身強化トレなど、走攻守すべての分野でジャッジする。

 「(悪ければ)途中から(2軍の)国頭に行かすこともあるかもしれない」とも話し、「落選」となれば2軍落ちの可能性もある。3月20日の開幕戦(対ソフトバンク、札幌ドーム)に向けて、中田は「選考委員」に鮮烈な印象を与えなければ、「合格」はない。【本間翼】

 [2010年1月6日10時56分

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