阪神城島健司捕手(33)のタテジマデビュー戦が、3月3日・日本ハムとのオープン戦(札幌ドーム)に正式決定した。真弓監督の要請を受けて「やれと言われれば、今でも出れますよ」快諾。スタメン&クリーンアップでの出場が濃厚だ。この日は三塁へのバズーカけん制を披露した他、ブルペンで打席にも立って日本のストライクゾーンや投手の球筋を確認。視察した“師匠”の中西太氏(76=日刊スポーツ評論家)から打法に太鼓判を押されるなど、実戦モードに入ってきた。

 真弓監督の出場要請に、城島も望むところとうなずいた。「“札幌から行こうか”と言われました。肩もひじも順調。当然そこに合わせて行きますよ」。3月3日、札幌ドームでの日本ハム戦。北の大地がタテジマのデビュー舞台に正式決定した。相手は昨年のパ・リーグ王者で、スタメン&中軸での出場が濃厚だ。「行けと言われたら今でも出られますよ」。小林繁氏の追悼試合で相手主力の出場も予想される注目の一戦に、一層の闘志をかき立てた。

 デビュー戦へ向け、大きな勇気をもらった。この日訪れた中西太氏は、城島が15年前にプロ入りしたダイエー時代のコーチ、若菜嘉晴氏の師匠。城島も「僕の若い時から打撃を見てもらってきた」と信奉する“師匠の師匠”だった。「僕の“いいところはこうなんだ。そこだけ意識すればいい”と言ってもらった」。突っ込みがちな欠点を意識するのではなく、長所の思い切りのよい打撃を貫けばいい。「起爆剤になれよ。チームをどう変えてくれるか、楽しみにさせてもらうわ」。親身な激励に、自分が取り組むスタイルが間違いではないことを確信した。

 身も心も本番モードに入った。審判員が来ていることを知った上で、ブルペンにはミットではなく、初めてバットを持って入った。「ちょっと立たせて」。江草、金村暁、久保田と3投手の打席に立ち、計40球、変化球の球筋にもタイミングを計って目を慣らした。さらに5年ぶりの日本のストライクゾーンも確認。「えっ、今のストライク?」。疑問に思った時は何度も審判に確かめうなずいた。

 シートノック前には、祝日で今キャンプ最多となった、4000人のファンを自慢の強肩で沸かせた。投球を受けると、座って両ひざをついたままの体勢で、三塁へ矢の送球を5球披露。8日には、一塁に入った真弓監督相手にバズーカけん制を届けたが、この日は偶然居合わせて三塁に入ったブラゼルのミットから快音を響かせた。「次のクールでは、二塁にも投げますよ」。いよいよ真打ちとなる、盗塁阻止デモも予告。実戦モードに突入する城島の動きが激しくなってきた。

 [2010年2月12日11時13分

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