<ソフトバンク2-1広島>◇27日◇福岡ヤフードーム

 待ってろダルビッシュ!

 ソフトバンク杉内俊哉投手(29)が27日、6者連続三振を奪うなど7個の三振を奪う圧巻の内容を披露した。初登板となった広島とのオープン戦は4回1安打無失点。既に先発が内定している日本ハムとの開幕戦(3月20日、札幌ドーム)へ向けて順調な仕上がりをアピールした。昨季まで課題だった初回から全力投球を意識するなど、大舞台でのダルビッシュ有投手(23)との対決へ早くも気合十分だ。

 杉内の気合が、みなぎった。初回1死。広島2番梵を2球で追い込むと、いきなり伝家の宝刀チェンジアップで空振り三振。続く3番広瀬には、カウント2-1から143キロの直球を内角ギリギリに投げ込んだ。バットをピクリともさせず見逃し三振。これだけでは終わらない。2回には4番栗原からの中軸を3者連続三振。3回の先頭打者、会沢まで6者連続三振を奪った。

 杉内

 十分、出来すぎ。初回からとばしていった。今年は初回から思いきり腕を振っていく。初回から飛ばしていって、どこまで持つか楽しみ。(今日の)4回までは全然もった。

 全力で4回を投げ終え、余裕の表情でマウンドを降りた。許した安打は1。マスクをかぶった田上も「直球も変化球もきていた。文句のつけようがない」。初回から全力の杉内に、スキなど見当たらない。

 さらなる高みを目指すための挑戦だ。15勝を挙げ、最優秀投手(勝率7割5分)にも輝いた昨季は26試合で59失点を喫した。そのうち1回から4回までの失点が34。「(昨季は)序盤にやられることがあった。打線(と相手投手)の相性とかもあるけど、今季は初回から飛ばしていくつもり」。開幕戦などの1点を争うエース対決では、絶対に先制点は許さない。エースとしての決意の表れだ。

 今キャンプの休日、自らが音頭を取りバッテリー会ゴルフを行った。「スコアは関係ない」とチーム内の親睦(しんぼく)を深めることが目的。前半のスコアが44だった杉内は、昼食休憩で早々と食事を済ませた。後半スタート前に、真剣に20分以上もパター練習を行った。結局後半のスコアは38。負けず嫌いと向上心、それを支える集中力がエースたるゆえんだ。

 この日は沖縄・名護で日本ハム・ダルビッシュもオープン戦に初登板した。5回4安打2失点。球場を離れる際、杉内は「リンデンに(本塁打を)打たれたんでしょ。本当は3回で降りるはずだったんでしょ」と宿敵を気にかけた。あと20日に迫った開幕戦。この日の杉内を見て、負けると思った人はいないはずだ。

 [2010年2月28日12時37分

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