<教育リーグ:西武10-11ヤクルト>◇17日◇西武第2

 指揮官の前で、同じ過ちを繰り返すわけにはいかなかった。西武ドラフト1位ルーキー菊池雄星投手(18=花巻東)が、2度目の対外試合に登板した。8回から初の救援。9回2死からの四球と右前打で一、三塁のピンチを迎えた。セットポジションになってから腕が振れなくなり、制球を乱した前回の登板がフラッシュバックする。それでもこの日は崩れなかった。曲尾を内角直球でつまらせて二直に仕留め「同じ失敗をするのはイヤなので。とにかく楽しもうと思って腕を振りました」と充実の2回33球に胸を張った。

 打者9人と対戦し、2安打1四球無失点で、最速は144キロをマーク。直球で空振り三振も奪った。雄星の実戦登板を生で見るのは初めてだった渡辺監督は「腕も振れて、前回よりだいぶ良かったんじゃない。順調でしょう」と合格点を与えた。さらに「体力強化と並行してだけど、ファームのローテで回してもいいかなと思うよ」と、2軍の“ローテ当確”を示唆した。

 対外試合デビュー戦となった9日の教育リーグ巨人戦では、2回3安打3四球3失点と屈辱を味わった。そこからテークバックを大きく、肩のラインを平行にする高校時代の投球フォームに戻すと決め、もがき続けたフォームに答えを出した。調子も周囲の評価も徐々に上がってきている。それでも満足とは程遠い。「毎球同じバランス、同じフォームで投げないと。今日はたまたま抑えただけです」。まだまだこんなものじゃない。自分自身への期待値は、誰よりも高い。【亀山泰宏】

 [2010年3月18日9時28分

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