<オリックス5-4楽天>◇21日◇京セラドーム大阪

 あまりに予想通りの舞台進行にオリックス岡田彰布監督(52)は笑いが止まらなかった。開幕戦で1-0勝利の次は逆転サヨナラ勝ち。9回1死から後藤が起死回生の同点弾。そして2死満塁から楽天小山の暴投で幸運な白星が転がり込んだ。岡田監督は「負けてる展開でも反撃の態勢つくると、そら、そうなるよ」と2日連続で思わず早口になった。

 開幕戦は主砲アレックス・カブレラ内野手(38)を懲罰欠場。DHでなく一塁で出場したいと、わがままな主張をしたからだった。チームで戦う以上、助っ人でも、特別扱いしなかった。「試合に出さへんのが一番こたえるやろ」と心得ていた。

 ムチの次はアメ。この日の練習前に訪ねてきたカブレラにキャンプ中にも伝えたDHか一塁、代打での起用方針を再び示した。「これはチームの方針やからな。納得しとったよ。気合入っとった」。すぐさま4番DHで先発復帰を決断。カブレラは「昨日のことはなかったと思っている。監督がチームのことを決め、それに従うのが選手。ああいう形で試合に出られず、複雑な思いだった。今日がボクの開幕だ」と練習から快音を連発していた。

 主砲は3回に田中から右翼へ先制2ラン。ベンチ前では岡田監督とハイタッチした。やっと一丸となったチームは6回に2-4とされてもビクともしない。7回以降を小松、加藤、香月の無失点リレーでつなぎ、昨年オリックス戦9戦無失点の右腕小山に重圧をかけた。「勝てたんは大きいよ」。昨季最下位のチームが、10年ぶりの開幕連勝で最高のスタートを切った。【押谷謙爾】

 [2010年3月22日9時29分

 紙面から]ソーシャルブックマーク