<オリックス6-0西武>◇23日◇京セラドーム大阪

 左翼席で弾む打球を、腕組みしてにらみつけていた。西武涌井秀章投手(23)がオリックス相手に、8回途中8安打6失点(自責5)で2敗目を喫した。悪夢のような8回が傷を深くした。追加点を許し、なおも2死満塁。高めに抜けたカーブを前田大に痛打された。08年7月28日のオリックス戦以来、現役ワーストの通算8本目の満塁被弾。試合後のコメントがなかった失意のエースを渡辺監督は「今シーズンでは一番。助けてやれなかった」とかばった。

 1回に味方の失策も絡んで自らの暴投で先制を許したが、2回から立ち直った。ストライク先行、変化球の出し入れと、今季やりたくてもできなかったことができていた。それだけに潮崎投手コーチも「涌井ワールド満載だったんだけどね…。内容は最高だった」と残念がった。昨季の沢村賞右腕に訪れた試練。マウンドで味わった屈辱は、マウンドで晴らすしかない。

 [2010年4月24日8時19分

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