<楽天3-0日本ハム>◇24日◇Kスタ宮城

 楽天岩隈久志投手(29)が、日本ハム打線に2安打しか許さない完ぺきな投球で、今季初の完封勝利をマークした。完封は08年6月15日の巨人戦以来5度目。ゴロアウト17個と、低めへの制球とボールのキレが光った。ダルビッシュ有投手(23)とのエース対決を制し、3勝目と白星先行。チーム今季初の3連勝を狙うべく25日に先発する田中将大投手(21)に、絶好の流れをつくった。

 キレの岩隈が、剛のダルに勝った。低めに制球されたボールが17のゴロを生んだ。打たせて取る。真骨頂を披露して2安打完封勝利だ。「相手がダルビッシュだから、負けられないと思っていた。1点勝負と思っていたし、全力でやって、最高の投球ができました」と晴れやかに話した。

 140キロに満たない直球もあった。それでも、キッチリと低めに制球され、キレのあるボールは、安打を許さない。うなるようなダルビッシュの剛速球とは、あまりにも対照的。キレさえあれば、無理して速く投げる必要もないと言わんばかりだった。試合後も「いい真っすぐだったでしょ?」と、自画自賛。「バランスっすよ。バランス」。理想的なフォームから、繰り出されるボールの威力に、岩隈自身も驚き、楽しんでいた。捕手の嶋も「キレが良かった。受けていて楽しかったです」とエースの領域を堪能していた。

 6日の札幌ドームだ。試合前、ダルビッシュにウワサの新球「ワンシーム」を取材した。この日の試合後には「今日も投げてましたね。素晴らしいボールですね。あの直球があって、落ちるワンシーム。打者は打てないですよ」と、新球を絶賛。ただ「投げられないことはないと思う。でも、僕にはツーシームがあるし、必要ないかな」と習得は否定。「僕は彼のような剛速球ではないし、打たせて取るのが僕ですから」とニッコリ笑った。スタイル貫いた答えが、チーム今季初の完封勝利だった。【金子航】

 [2010年4月25日9時23分

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