<ソフトバンク2-4阪神>◇18日◇福岡ヤフードーム

 アニキのスタメン復帰を激勝で飾った。右肩痛で代打要員だった阪神金本知憲外野手(42)が交流戦ソフトバンク戦の指名打者で22試合ぶりに先発出場した。定位置の4番ではなく5番での先発。それでも4番を任された弟分の新井貴浩(33)が延長10回に決勝犠飛。3試合連続の2ケタとなる14三振を喫しながら、猛虎打線がつながりとしぶとさを取り戻した。

 金本と書いて「阪神打線」と読む。1カ月ぶりの先発復帰であらためて、存在の大きさを身をもって示した。4月18日の横浜戦(横浜)で4番を外れて連続フルイニング出場が途切れて以来の先発。“指定席”の4番ではなく、弟分新井を支える「5番指名打者」として、チームの勝利を呼び込んだ。

 ホークスの守護神馬原を攻略して持ち込んだ延長10回。連打で無死一、三塁の好機をつくり、4番新井が打席に立った。「いつもと変わらず、あまり意識しないでやったつもりだけど、スコアボードに名前があるだけで相手に与えるプレッシャーが違う。もちろん、自分たちチームにおいてもね」。ネクストサークルに控えるのは、広島時代から兄貴分として慕う金本。自身の後ろでにらみをきかせて出番を待つ男の存在が、何よりも心強かった。最強の“お守り”を手にした新井は、中堅へ決勝犠飛を打ち上げた。

 弟分は4番の仕事を果たした。5番のアニキもこたえないわけにはいかない。1ボールからの2球目。5番手摂津の外角シンカーをしっかりとらえ、右前へ運んだ。先発復帰戦を自ら祝う一打で好機を拡大。続く大和の右犠飛も呼び込み、相手の必勝リレー粉砕に力を発揮した。

 4番新井、5番金本の並びは博多に入った前夜のうちに、首脳陣から本人たちに伝えられていた。阪神不動の4番を務めてきた金本を、あえて5番起用した理由を真弓監督は「いきなり4番を打つのもどうかと思って。左、右を考えたら(新井を4番に置く方が)いいバランスだから」と説明した。3番鳥谷からジグザグに打線を組むことで、相手ベンチにも投手の交代期をちゅうちょさせる狙いもあった。今後の金本の打順について真弓監督は「まだ決めてない」と話すに止めたが、流れるように決勝点を奪った攻撃に手ごたえを感じ取った。

 本拠地で1勝3敗とスタートダッシュに失敗した今交流戦。金本ただ1人の加入で打線の厚みは確実に倍増し、敵地で反撃開始の白星をもたらした。つながり、粘り、嫌らしさ…。代打の1打席だけでなく、アニキに何度も打席が巡ってくる攻撃のバリエーション。阪神打線の活性化に金本は欠かせない。【石田泰隆】

 [2010年5月19日10時47分

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