阪神城島健司捕手(33)はロッテ戦が雨天中止となった23日、12球団打率トップのマリンガン打線封じへの固い決意を明かした。甲子園室内練習場で調整。投手陣が失点を重ねる現状を踏まえ(1)右の大砲・4番金泰均封じ(2)甲子園の浜風を生かす(3)先制点を与えない、の3カ条を掲げた。チームは3連敗中だが、この日中日が敗れたため、入れ替わりで2位浮上。頭脳をフル回転させ、再びジョー昇気流に乗っていく。

 城島が、半ばあきれたように言った。「昨日も20点とっているしね。抑えないとね」。24日に仕切り直しとなったロッテ戦。前日22日ヤクルト戦では22安打20得点、チーム打率は異次元ともいえる2割9分6厘。一方の虎投は、交流戦1試合平均5・88失点と苦境が続く。それでもひるむわけにはいかない。勝つための3つの条件を掲げた。

 (1)4番金封じ

 昨年のWBCに日本代表として参加した際に韓国の4番だった金を徹底マークする。「嫌というほど痛い目にあった。1番マークしたけど、結果的に1番やられた。ただ去年前半の話なので。そのデータは頭に入っている」。第1ラウンド(東京ドーム)で松坂が2ラン、順位決定戦(同)で岩隈が決勝打を許した。その経験を糧に「長打があるのでボールを上げさせないように」と高め厳禁を徹底する。

 (2)浜風を生かす。「甲子園は風が味方。当日の風がどうかを見たい」。右翼から左翼に吹く浜風は左打者の天敵だ。気象条件をホームアドバンテージとして配球に反映させる。左打者への大胆な内角攻めも頭にある。「浜風にぶちあたれば、左のそこそこの当たりでは入らない」。

 (3)先制点を与えない。交流戦は8試合中6試合で先制され、逆転勝ちしたのは15日楽天戦だけ。「チーム状態がよければ、巻き返せるが。連敗の時はチームが先制するまでバッテリーが頑張る。こういう時は9回トータルで考えず、先制点をやらないようにしたい」。今季43試合のうち、先制すれば12勝6敗、先制されれば11勝14敗。3連敗中とあって、試合の序盤が大きなウエートを占める。

 「シーズンの中で投手が失点する時期はあるもの。そういう時は目先というかひとつひとつの目標をクリアしていくことが大事」と城島。3カ条を胸に、破壊力抜群のマリンガン打線を抑えにいく。

 [2010年5月24日10時23分

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