<ヤクルト4-2阪神>◇26日◇神宮

 神宮球場が、お祭り騒ぎになった。ヤクルトは1点を追う8回、3番飯原誉士外野手(27)の2ランでひっくり返し、鮮やかな逆転勝利を収めた。飯原は0-1の5回に同点二塁打を放ち、9回2死の守備では、城島の右翼線への打球をダイビングキャッチして試合を締めくくった。まさに“神宮劇場”の主役の座を独り占めにした。

 ちょうど1週間前の19日広島戦。2回1死三塁で三塁走者だった飯原は、タッチアップの判断を誤って生還できないというミスを犯した。22日から2試合続けてスタメンを外された。「あのミスが返ってくるわけじゃない。迷惑をかけた分、チームに貢献しないと」。24日巨人戦から再び先発で起用されると、11打数7安打。懸命な練習姿勢を見ていた小川監督代行は「本人も感じるところがあったと思う。危機感がいい方向につながった」とほめた。

 5回終了時には、アントニオ猪木が「1、2、3、ダ~」と音頭を取って、「同じ場所で一斉に乾杯をした人数」のギネス世界記録に挑戦するイベントが行われた。飲料水などの紙コップを手にした2万7126人が参加し、従来の世界記録を562人更新したと認定された。「乾杯はしないかもしれないけど、今夜は普通に飲むと思う」と飯原。祝杯を挙げ続けるためにも、まだまだ打ちまくる。【由本裕貴】

 [2010年6月27日8時23分

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