<日本ハム6-4ソフトバンク>◇4日◇旭川

 これはスタルヒンの呪い!?

 ソフトバンクが北海道・旭川で“足”をすくわれた。和田毅投手(29)が自己ワーストの4被弾で6失点を喫した。練習時から不安を抱いていたマウンドの軟らかさに苦しみ、本来の低めを突く投球ができなかった。スタルヒン球場で7月11、13日以来の2連敗。前日田上が負傷したのに続き、24本塁打のオーティズが右ひざを痛めて登録抹消が決まるなど、災難続きの2連戦となった。

 北の大地に吹く涼やかな風も、和田にとっては心地よいはずがなかった。ガッツポーズで本塁を踏む日本ハム中田の姿をうつろな視線で見つめた。自己ワーストとなる4発目の被弾。ここまで18戦でわずか5本塁打しか許していなかったアンチ・アーチストが、6イニングで4本のフェンスオーバーに屈した。

 チームは連敗。自身の連勝も4で止まるまさに旭川の悪夢。300勝投手スタルヒンの足跡を振り返るパネルを横目に歩きながら、重い口を開いた。

 和田

 今日は悪かったですね。低めに投げられることが少なかった。それ(浮いた球)をことごとく打たれてしまった。

 悔しさを押し殺し、気丈に振り返った。言い訳も口にしなかった。助っ人大投手の名前をつけてはいるが、プロ野球も年に数試合しか開催されないローカル球場。和田にとっては今季初登板となった地方球場の「特性」が影響したのは明らかだった。

 2日の同球場での練習では実際にマウンドから投球練習を行った。足元の土が軟らかくえぐれやすいことを球場スタッフに指摘。「投げやすくしてもらえるように伝えました」。要望を受け、3日の試合後も地面を踏み固める作業が行われたが、一朝一夕で不安が解消されるほどの大きな変化はなかった。

 序盤から球が浮く場面が目立った。回を追うごとに足場は緩み、3回にオーティズが負傷退場した直後の2死一塁から森本に右中間を破られる適時二塁打で先制を許した。中盤からワインドアップをやめて制球を取り戻そうとしたが、実らなかった。4回に糸井、5回に大野、6回には小谷野と中田に計4本のアーチをかけられた。いずれも着弾点は外野芝生席の下部。両翼95メートルの狭い球場にも泣かされた。高山投手コーチは「(地方球場で)不慣れな面もあったと思う」と、かばった。

 秋山監督の足取りも重い。「和田は珍しく淡泊だったな。今日は(球が)高かった」と首をかしげた。チームは約3週間ぶりの連敗。前日は田上、この日はオーティズと主力が負傷交代するなど、アクシデントも続いた。旭川での2連戦は、後味の悪い結末となった。6日からは2位西武との首位攻防戦。敵地で正念場の3連戦を迎える。

 [2010年8月5日12時25分

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