<日本ハム6-2ソフトバンク>◇1日◇札幌ドーム

 ソフトバンク松田宣浩内野手(26)が、自己最多タイの今季17号アーチで意地を見せた。0-0の3回表。亜大の1学年後輩、日本ハム先発糸数の内角低め直球を左翼席にたたき込んだ。「しっかりと打てた。打てたのはうれしいけど、やっぱりチームが負けたのが悔しい」。札幌ドームでは開幕2戦目(3月21日)の延長11回に決勝弾を放って以来のアーチだが、空砲に終わり試合後は言葉少なだった。

 前日の3番から7番に降格されたことを、バネにした。今季はチーム事情もあり、本職の三塁とともに左翼の守備位置にも就き、ここまで94試合に出場してきた。「レギュラーが保証されている立場ではないので」。故障で戦列を離れていたオーティズがこのカードから1軍復帰し、松中も3日のオリックス戦から1軍昇格する。ポジションのかぶる2人の大砲の存在が、27歳のスラッガーを突き動かしている。

 今季こそ、20本塁打の大台に到達する。近い将来の大砲候補として期待され今季で5年目だが、これまでの最多は08年の17本。2度の骨折の影響もあった昨季は8本塁打にとどまった。今季も5月下旬に右手を骨折し、1カ月半離脱。「けがもあったけど、最低20本は打たないと」。前夜も札幌市内でチームスタッフと焼き肉をほおばりながら、20号到達を誓ったばかりだった。

 ただ、本塁打よりも、手にしたいものがある。入団以来、経験のない優勝だ。「自己最多?

 まだまだ数多く打ちたいですけど、とにかくチームの勝ちにつながる打撃をしたい」。松田が、次はVにつながる1発を放つ。【倉成孝史】

 [2010年9月2日11時59分

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